二十二ノ怪ー木偶ー(壱) ページ30
ノ「･･･私は、見限られたのですか？」
ノボウの弱々しい声がぽつりとその場に落ちた
芦屋はガシッと安倍の肩を掴む
芦「なんでそんな･･･追い詰めること言うんですか？」
芦「安倍さんは･･･あの走馬灯見なかったんですか？」
安「見た。見たから思ったことを言ったまでだ」
芦「･･･あれがノボウさんのせいって言うなら、ノボウさんの落ち度って何なんですか？」
芦「俺は･･･！ノボウさんのせいだなんて思えません！」
安倍は芦屋の額にデコピンをかます
安「お前、それが自分の立場だったら、目の前で大事な奴が燃えて、それを眺めるしかできなくて、『自分に責任がない』なんて言えるか？」
芦「･･････っ」
安「･･･慰めて何とかなる状況じゃねぇんだよ」
安「ノボウ殿、あなたをここに呪縛しているのは御友人ではありません」
ノ「し、しかし友人でないのならば、この泥と煙は一体何だと言うのですか？」
安「ノボウ殿。この泥もこの煙も、あなたが
ノ「･･････はい？」
ノボウの小さく呟く
安「泥も煙も、御友人に対する"罪悪感"の表れだとしたら。ここに呪縛しているのはノボウ殿･･･あなた自身だ･･･」
安倍のその声を聞くと、ノボウの目から涙がこぼれ落ちる
ノ「あの日･･･逃げたことを後悔するあまり、再び友人から離れないよう己を呪縛していたのかもしれません」
安倍はノボウの襟元を自分の元に引き寄せる
安「もし
安「だからといって
安「ノボウ殿、"離れる覚悟"をして下さい」
安倍は頬についた泥を拭い、芦屋を呼んだ
安「毛玉と禅子のところへ戻るぞ」
芦「え！？」
安「それに、さっきから目を覚まさねぇAのことも気になるしな」
芦「戻るって･･･ノボウさんをどうやって連れていくんですか？」
安「連れていかねぇよ」
ノ「･･･それでは私は･･･」
安「ノボウ殿は、自力で
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作者名：まるすけ。 | 作成日時：2020年2月18日 19時
