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二十一ノ怪ー煙炎ー(漆) ページ29

-No side-




濃い煙が晴れた後、芦屋と安倍の前には草が生い茂った畑があった




そしてそこにはノボウと案山子が立っていた




そこは、ノボウの走馬灯(記憶の中)であった




すると道を歩いている男が、火がついたままのタバコを道端に捨てた




そこから近くの草に燃え移り




みるみるうちに、畑は燃えひろがり、ノボウと案山子を襲った




そして火はついに、案山子に燃え移ってしまった




ノ「私は1人で逃げました。そのあとは燃える友人を火が治るまで黙って突っ立って見ておりました」




ノ「・・・この走馬灯(記憶)を見ますと・・・とても恐ろしくなって・・・再びこの場所(・・・・)へと戻ってきてしまうのです」




芦屋が目を覚ます




ノ「まるで友人が私を引き止めているようで・・・」




芦屋の向かいで安倍が目を覚ます




ノ「まるで、あの日、私が助けなかったことを恨んでいるようで・・・」




芦「ノボウさん」




安「ノボウ殿」




ノ「友人はいつも私の話を聞いてくださりました。いつも側にいてくれました。ずっと1人だった私の友人になってくれました」




ノ「・・・物怪庵(あなた)方の力を借りれば今日こそここから離れられると、そう思っていましたが・・・それでもやはり離れることができなかった」




ノ「・・・・友人に対して、このような考えを抱いてしまうのは嫌なのです・・・でも・・・でも!!」




ノ「きっと友人は私を恨んでいるのです!あの日、助けずただ突っ立っていた私を許さないと、ここから逃げるなんて許さないと呪縛(しば)っているのです!!」




ノボウはそう言いながらボロボロと泥の涙を流した




芦「・・・ノボウさん、俺は・・・。・・・呪縛(これ)は友人のせいじゃないと思います」




ノ「ですが、友人を助けず見捨てて・・・」




芦「ノボウさんは助けようとしてたよ!あれは・・・!ノボウさんのせいじゃない!」




ノ「芦屋殿・・・・・・」




安「俺はあなたのせいだと思います」




芦「安倍さ・・・」




安倍はノボウの腕を掴み立ち上がる




安「ノボウ殿、・・・今のあなたはここから逃げることはできません」




安「俺はあなたを祓えません」

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作者名:まるすけ。 | 作成日時:2020年2月18日 19時

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