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二十一ノ怪ー煙炎ー(参) ページ25

安「"物怪庵"の主、安倍と申します」




「奉公人の神山と申します」




芦「バイトの芦屋です・・・・・・」




ノ「"もののけあん"!?あの噂の・・・・・・」




安「噂?」




ノ「次々と妖怪を唆して、辺境の地(隠世)へと連れ去る妖怪攫い屋ですね!」




安「違います。妖怪祓い屋(・・・)です」




どうやら私たちは現世の妖怪の中で妖怪を攫う者として誤解を受けているようだ




安「・・・でも見様によってはあながち間違ってはねぇか・・・・・・」




ノ「攫うのですね!」




芦「攫ってるわけじゃありませんよ!?安倍さんも悪い噂、受け入れないでください!」




イツキが否定していないため、ノボウさんの中で物怪庵は攫い屋となってしまった




誤解を解くのは大変そうだな




でもまぁ、否定はできないんだよなぁ




芦「正しい情報を説明するので、ノボウさん、しっかり聞いて下さい!」




そう言って芦屋くんはノボウさんに細かく説明していく




ノ「なるほど理解しました!そうやって妖怪を隠世へ攫うのですね!」




しかし、芦屋くんの説明はノボウさんには完璧には通じなかったらしい




芦「攫う!違う!」




安「だいたい合ってるからもういいだろ」




ノ「おや!そうでした!祓っているんでしたね!」




ノ「ですが・・・私にとっては"攫う"でも"祓う"でも、ここから離れられればどちらでも構いません」




ノボウさんは私たちの名前を呼びながら前へぴょんぴょんと進んでいき、くるりと私たちの方を振り返った




ノ「この場所から離れられない私をどうか、隠世へと脱出させていただきたい」




途端に、泥がブクブクと音を立てて次第にモワモワと煙が出てきた




芦「く、くさい!へっくしゅん!」




安「ノボウ殿・・・この泥は何かご存知で?」




ノ「これは・・・」




ノボウさんはゆっくりと話し始めた




ノ「ある時、地面から湧いてきたんです。そして私はこれのせいで動けないのです。この場所から離れようと泥の中を歩くと、だんだん気分がどんよりしてきまして・・・」




ノボウさんは前に歩いていく




ノ「動けなくなります」




少し離れると、その先でヘナヘナと倒れてしまった




芦「ノボウさん!?」




ノ「それでも頑張って何度も離れようとしたのですが、この煙に包まれると走馬灯が見えて、ついまたここへと戻ってきてしまいます」

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作者名:まるすけ。 | 作成日時:2020年2月18日 19時

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