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二十一ノ怪ー煙炎ー(弍) ページ24

安「ヤヒコが巨大化したのも、この泥が原因で間違いねぇな」




芦「どうしたら初期化できるんだ?」




安「この気配のする妖怪に会えば何かしらわかるだろ」




「そうだね。早く行ったほうがいいかな」




安「毛玉と禅子はそこで待機!おら!行くぞ芦屋、A!」




名残惜しそうにモジャくんを撫で続ける芦屋くんを無理矢理引っ張って煙の中に連れていく




妖怪の気配を辿ろうにしても臭いが邪魔をして集中できず、そして目の前が煙で覆われているせいで余計に探しづらくなってしまっている




芦「く・・・くさい!すごい臭い!この煙の中、さっきより臭いですよね!?え、俺だけ!?臭いっくさっ」




いや、探しづらい原因に芦屋くんの声も入ってるかもしれない




安「くせぇくせぇ、うるせぇ!」




芦「だって、畑外(そと)より数倍臭い!この刺激臭で安倍さんの嗅神経、麻痺したんですか!?」




「芦屋くん、一回黙ろうか。本当にうるさいから」




できるだけ優しく注意する




芦「う・・・すみません」




ゴッゴッゴッ




どこからか硬いもので叩いているような鈍い音が聞こえる




芦「安倍さん、神山さん」




あっち、と芦屋くんが指さす方向に歩いていく




少し歩くと、そこには一つ目の妖怪が石に自分の頭をぶつけていた




芦「ゔああああああああ!」




「えええええ!?」




芦「やめなさい!石で頭打つとか正気ですか!?死んじゃいますよ!?」




芦屋くんは妖怪を羽交い締めにし、イツキは妖怪から石を奪い取る




芦「何があったか知りませんが、早まったらダメです!生きてればやり直すチャンスは巡ってくるって!命は大切に!とりあえず深呼吸を!!」




芦屋くんは妖怪に深呼吸を促す




妖「私、死ぬつもりなどサラサラございませんよ?」




「え?」




妖「いやですねー、早とちりですよ。あと先程、石と仰っていたそれはこの畑で大きく育ったじゃがいもです」




この畑でとりました、と意気揚々と話す妖怪




芦/安「紛らわしいんだよ!」




「紛らわしいのよ!」




妖「おや!?怒られてしまいました!」




怒られたのも関わらず嬉しそうな妖怪




妖「そんなことよりです!少年たちは私の姿が見えるのですね!嬉しいです!誰かと話すなんて久しぶりですよ!」




私たちの心配をよそにペラペラと話す妖怪




妖「私のことは"ノボウ"と呼んでくださいませ!ところで少年たちはどちら様で?」

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作者名:まるすけ。 | 作成日時:2020年2月18日 19時

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