【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い―第二章― (ページ17)

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十九ノ怪ー隔段ー(肆) ページ17

マ「相談事なんてない！無粋なこと聞くな！」

どうやらマンジロウは私たちに会いにきてくれたらしい

その様子を見ていると、床の間に荷物が置いてあるのに気づいた

風呂敷に包まれたそれは形は歪で、モジャくんも気になっているのか、くんくんと匂いを嗅いでいる

すると、物怪庵がリンリンと鈴をならし、掛け軸に文字が綴られている

物「マンジロウさんからお土産をいただいたわよ」

その文字の下には風呂敷を指すように矢印が書かれている

続いて「風呂敷いっぱいに」とサラサラ綴られていく

芦「ずっと気になってはいたんだけど、お土産だったんだ」

マ「この近くに立ち寄る用事があったんでな。ついでに土産(それ)を持ってきたんだ」

それを聞いたイツキはマンジロウを訝しげに見る

安「この近くに立ち寄るようなところありましたっけ？」

マンジロウはふんっと鼻を鳴らし、冷や汗をかいている

その様子を見るに、おそらくそれも嘘なのだろう

芦「風呂敷、開いてもいい？」

マ「おう！」

ガサゴソと芦屋くんが開いた瞬間、中からドサァといっぱい流れてきた

芦「おお、予想以上に多い！」

マ「隠世をあちこち旅してたんだ」

マンジロウと一緒にお土産を見る芦屋くんを見て、ほっと安心する

茶室に芦屋くんの笑い声が響き渡っている

芦「安部さん、神山さん、これ見て！食べられるらしいですよ！」

顔のついた変なものを見せて笑う芦屋くんに、私もくすりと笑ってしまった

安「今日は一段と情緒不安定だな」

イツキは全く違うらしい

芦「人の喜怒哀楽(感情表現)を不安定呼ばわりしないでください」

安「不機嫌になり、凹んではしゃいで笑ってる」

芦「そんなクレイジーな感じじゃない！」

普段は、「あぁ、またやってる」ぐらいにしか思わなかったことが今目の前で繰り広げられていると思うとすごく安心する

また、芦屋くんの明るさが戻ってきた