十八ノ怪ー待延ー(壱) ページ12
えっと･･･芦屋くんが言ってたのってみどりの公園だっけ？
私は今、街中を1人で走っている
放課後、芦屋くんと一緒にアンモ姫のところへ行こうとしている時に、担任に仕事を頼まれてしまい終わり次第、芦屋くんのところに行くということになった
のはいいんだけど･･･
「遠っっっっっっ！！！」
体力がある方ではない私にとって全力ダッシュはキツすぎる！
ハァ、ハァ、ハァ
「つ、着いた････」
えっとー、芦屋くんは･･･
いた！
「芦屋くん！今、どんな感じ？」
芦「神山さん！今、ジョウマツさんがアンモ姫にプロポーズ･･･じゃなかった、告白してるところです」
「告白？」
芦屋くんにこれまでの事情を聞き、アンモ姫に好意を寄せているジョウマツさんが想いを伝えたところらしい
ジョウマツさんはというと、芦屋くんの手の上でぷすぷすと音を立てながら湯気を出していた
ジ「姫様ァ･･･、それは真ですか･･･。嬉しいです･･･姫様も手前と同じ想いだったとは･･･」
ジ「あ、ああ芦屋。み･･･みず、水はあるか」
芦「カバンに烏龍茶ならあるけど、飲む？それともかける？」
2人のやりとりを見ていると、後ろからざっざっと足音が聞こえ、振り返ってみるとイツキがいた
安「芦屋」
芦「！安倍さん！？もうきたんですか！？」
安「あ"？まだ来ねぇ方が良かったなら帰る」
芦「いいや、グッドタイミングです！！！」
本当に帰りそうな雰囲気のイツキを芦屋くんが慌てて引き止める
芦「夕方くらいに来るって言ってたから、来るのか早かったなーと思っただけですよ。前の仕事、早く終わったんですか？」
安「･･･まぁな」
芦屋くんの問いに応えるまでに変な間があったことに違和感を感じる
安「妖怪が1匹増えてる･･･」
「こちらアンモ姫」
安「卵のからに籠ってたって言ってた妖怪か」
芦「アンモ姫も殻から出てきてくれたし！あとは隠世に払うだけです！」
イツキに向かってドヤ顔をする芦屋くん
それを見てイラつきを露わにするイツキ
安「腹立つ･･･」
ピィ
いきなりアンモ姫が鳴いたかと思うと、アンモ姫はイツキを見て頬を赤く染めていた
アンモ姫はイツキの方に飛んでいき、イツキの顔を頬を擦り付けていた
「あらあら」
ジョウマツさんの話を聞いていると、どうやらお互いの想いの解釈違いがあったらしい
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作者名：まるすけ。 | 作成日時：2020年2月18日 19時
