十四ノ怪−逢遭−(壱) ページ1
スッ
私達はあの後、河原に戻りマンジロウを隠世に祓った
スッ
安「はぁ・・・」
イツキが息をつくと隣でピクッと肩を揺らした芦屋くん
安「今日は助かった」
その後、謎の沈黙が流れる
芦「え"ぇええええええ!!!!」
急に大声を出す芦屋くんに体がビクッとはねる
大声で叫んだ芦屋くんは叫びすぎたのか咳き込んでいる
「だ、大丈夫?」
安「どうした?」
芦「どうしたんですか!?」
安「それは俺が聞いてんだよ」
芦「何ですか今の『今日は助かった』って!?」
安「あ"?何ですかって・・・お前が指輪見つけたんだろ」
安「それに、俺らだけだったら二人にあんな喜んだ顔はさせられなかった」
「そうだね。ありがとう芦屋くん」
安「だから『助かった』ってのはそういう意味だ。今日は全面的にお手柄だったんじゃねぇの?」
芦「お手柄?安倍さんがオレのことを素直に褒めてる・・・。これまさか、安倍さんの死亡フラグ?」
安「不吉なもの立てんな、お前ごとへし折るぞ」
「イツキが普段めったに芦屋くんのこと褒めないからでしょ」
芦「良かった!いつもの安倍さんだ」
安心したようにホッと息をつく芦屋くん
安「背骨にするか・・・」
その様子にイラつくイツキ
すると、芦屋くんが吹きだした
と思ったら、次はにやけだした
「芦屋くん、大丈夫?様子おかしいけど、どこか頭打った?」
安「何がそんなにおかしいんだ、気持ちわりぃ」
芦「いや、おかしいんじゃないですよ。だってオレ、今まで仕事して褒められたことなかったから」
芦「めちゃくちゃ嬉しい」
そういった芦屋くんの顔は今までで一番いい笑顔だった
芦「あーだめだ。ニヤける・・・だめだ。どうしよ、止まんないんですけど」
よっぽど嬉しかったのかずっとニヤけている
それを見かねたのか、イツキが芦屋くんに近づき軽く手を挙げる
すると
バシィィィン!!
芦屋くんを叩いた
芦「いってェェ!!」
芦屋くんの絶叫が辺りに響き渡った
安「よし、止まったな」
芦「今、フルスイングしましたよね!?」
今回も無事に依頼を終えた
−翌日−
昨日、久しぶりに長い距離歩いたからか筋肉痛がひどい
今日から少し運動するかな・・・
物怪庵で送ってもらうのはしばらく控えて歩いて帰ろう
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作者名:まるすけ。 | 作成日時:2020年2月18日 19時