【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

七ノ怪ー心得ー(肆)八ノ怪−亀薬−(壱) ページ29

安「そろそろ行くぞ。物怪庵 主 安倍晴齋 隠世の扉をお頼み申す」




芦「よしっ、行きましょう！」




安「待て。行く前に俺からも心得を一つ」




安「お前が人間だってこと隠世で絶対に知られるな」




イツキはそう言って扉のなかに入っていった




芦「知られるなって知られたらオレはどーなるんですか？」




安「まぁ、簡単には死なせてくれねぇだろうな」




安「いっそ一思いやってくれりゃマシだが」




芦「命懸け心得じゃないですか！」




「行くのやめる？」




芦「やっ、やめません！」




芦屋くんが走り出す




私もそれに続く




ここはいつ来ても気味悪いな




そういや初めてここを通ったときはすぐ隠世酔いになってアオイにおんぶしてもらってたな




隠世酔いはひどくなったら情緒不安定になるから




って




「芦屋くん大丈夫？顔真っ青だけど酔った？」




芦「酔ってないです･･･」




完全に酔ってる




って、芦屋くんとイツキ喧嘩してるし･･･




さっそく物怪庵の言ってた心得２つも破っちゃった




あ、もうすぐ着く




着いたー！




芦「ここが隠世･･･！」




貴「想像してたのと違った？」




芦「はい。もっと不気味なところと思ってました」




私も最初はこんな明るいところとは思わなかったもん




芦「ってあれ、そういえば隠世酔いが治ってる」




安「あそこから出ればもう酔わねぇよ」




安「っつーか！やっぱ酔ってたんじゃねぇか！」




芦「しまった！」




また言い争いになりそうになる




「ほらふたりとも、ついたよ」




安「ここが亀薬堂だ」




コ/シ「いらっしゃいませー♪」




コ「あらァイツキとナツキ」




シ「久しぶりじゃね！」




「久しぶり！」




安「ご無沙汰･･･。やけに店の中ゴチャついてんな」




芦「人間！？」




コ「人間に化けるのが上手くなったでしょう？うちのシズク」




シ「コウラさま、もっと褒めて〜♪(ﾃﾞﾚｯ」




安「がっつりイモリの尾がついたままだがな」




シ「こっこれは消すのが難しいんじゃよ！」




「私は尾がついてるシズクの方が可愛いと思うよ？」




コ「そうよォ 私は尾があったほうがシズクらしくていいと思うよォ」




シ「コウラさまとナツキがそー言うならこのままでいいや」




安「相変わらず[主バカ]でA好きだな」

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