019 ページ20
なんだかんだ時間が過ぎて、昼休み。
授業終わってすぐ、まっつんと話していると教室のドアの方がなんだか騒がしい。目をやると1人の女の子がいた。
「…あの子って」
その子は教室の中をキョロキョロと見渡していた。
「…植村さん」
相変わらず、と言っていいのか分からないけど可愛いなあ。
髪の毛もサラサラだし、唇もプルプル。
薄く化粧してるけど素材を活かしてます…みたいな。
ほんと如何にも男の子ウケって感じ？まっつんが好きそうなタイプ。
まっつんは昔から清楚系の女の子がタイプだったし、彼女になる子はやっぱりそういう系なのかな。
私とは正反対だ。
一瞬目があって植村さんが目を細めた。が、すぐに目を逸らして私の隣にいたまっつんに目をやるとパアッと顔を輝かせて小走りで近付いてくる。
植村「一静くん…！えへへ、来ちゃった…一緒にご飯食べない？」
松川「学校では先輩、だろ」
コツンと軽く頭を叩くまっつん。
植村「あ、そっか！ごめんね、松川先輩…って、改めて言うとなんか照れちゃうね」
松川「なんだそりゃ」
植村「ふふっ。……角崎先輩、ですよね？松川先輩からよく話を聞いてます！初めまして」
ニコッと笑って首を傾げた時にふんわりと香水の甘い香りが鼻をくすぐる。
これは敵わん。いかにも女の子って感じだ。
「初めまして。角崎です。まっつんと仲良くしてやってね」
植村「はいっ。角崎先輩とも仲良くなりたいです」
「ありがとう」
植村「今度お話ししましょうね！約束、ですよ」
「うん、また今度ね。まっつん、早く行ってやんなよ」
松川「おー、悪いな。行ってくるわ。バレー部きたらなんか言っといて」
「はいはい」
．
東雲「あの子、松川くんの彼女？」
「そうみたい。良い子そうだよね。なんか安心したよ。可愛いし、お似合い…」
東雲「顔死んでるよ」
自分で言ってて虚しくなった。
私がもう少し早く勇気を出して想いを伝えていれば、まっつんの隣には私がいたのかな…なんて。
一番の親友ってだけでも有難いと思うのにそれ以上を望むなんて贅沢かな。
吹っ切れたつもりだけど考えれば考えるほどモヤモヤが募る。
「応援してあげなきゃね」
親友、なんだから。
東雲「…だね。他にも男の子はいるんだし、次だよ次！」
「そうだよね。ま、ご飯食べよっか！お腹すいた」
．
昼休みの間、まっつんは戻ってこなかった。
そのまま何も話すことなく放課後を迎えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツクモ(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。すごく長い間更新出来ずすみませんでした；；それでも思い出してここまで読んでくださって本当に嬉しいです。励みになります！ (2022年11月7日 9時) (
レス) id: f2723cd483 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初コメ失礼致します！大分前にこの作品を読ませていただいて思わず涙が出てしまう程のストーリーで印象に残ったのを、まさかの続きが投稿されたとの通知が来た時に思い出しました!!泣本当に嬉しいですし、書いてくださって本当にありがとうございます…!!応援してます！ (2022年11月3日 0時) (レス) @page45 id: 01f8761484 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - アオさん» コメントありがとうございます！色々想像しながら読んで頂けて嬉しいです！これからもマイペースにではありますが更新頑張ります＾＾ (2022年3月31日 20時) (レス) id: f2723cd483 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 初コメ失礼します！まっつんは夢主ちゃんに嫉妬して欲しくてやってるのかな！？とか思って興奮したり妄想したりしました（（ とても面白いのでこれからも頑張って下さい！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page40 id: 86830cf76c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツクモ | 作成日時：2021年8月30日 22時
