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岩泉と別れて松川と手を繋いで踊り始める。
なんだか時間がゆっくりに感じて、胸が詰まる。
いつもは平気な沈黙が今日はしんどくて口を開く。
「あ、あのさ、」
松川「なに？どうしたの」
「最近さ、なんか変じゃない？なんかあった？」
松川「…そう？そんなことないと思うけど」
「…隠し事とかやめなよ。なんかもやもやするし」
松川「隠し事なんてしてないよ。考えすぎじゃない？」
段々イライラしてきて口調が荒くなる。
「考えすぎなんかじゃないよ。絶対変だよ」
松川「じゃあなんか変だと思うことがあった？変なのはAじゃないの？」
「…昨日」
松川「え？昨日？」
「昨日、部活早く終わってたのに私に嘘ついて先に帰ったんでしょ」
松川「え？なんで知って……」
「花巻から聞いて知ってるんだから。まっつんはうまく騙せてると思ってたかもしれないけどさ」
言い過ぎだ、私。
松川「それは…別にAには関係ない話だろ？一緒に帰ろうって約束したわけじゃないんだしさ」
「っ、そうだけど、嘘ついてまで先に帰らなくたっていいじゃん。そんなに私が邪魔なの？」
松川「何熱くなってんだよ。…嘘ついたのは悪かったけどさ、そんなに怒ることないじゃん？どうしたんだよ本当に…」
「別に。それこそまっつんには関係ないでしょ？」
ばか。それ以上言うな。
松川「あっそ、余計なこと言ったな」
丁度相手を交代するタイミングになり、まっつんとは言葉を交わさずに別れた。今にも目から涙が溢れそうなのを必死に我慢しながら踊り続けた。振り付けが相手に背中を見せながら前に進むので今の私にはありがたかった。
曲が一周してアンコールの声がグラウンドに響く。
好きな人とまだ踊れなかった女の子が主にアンコールをして先生の判断で曲が流れるかが決まるが大体は流れるのでアンコールは確定だろう。
大半の生徒はそのまま踊るけれどアンコールは強制ではないのでそこで離脱する生徒も多い。
私もそのタイミングで輪から抜けた。
もう涙を堪えるのが限界だったし、これ以上まっつんの顔を見たらもっと泣いてしまいそうでその場にいるのが辛くなった。
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輪から抜けて端っこの木の下でみんなを眺めながらさっきのことを考える。
付き合ってすらないのに先に帰られた、ただそれだけのことなのにあんなに怒るなんて。いや、先に帰られたことが嫌だったんじゃなくて嘘つかれたことが嫌だったんだ。
…はあ、今日本当に災難続きで嫌になる。
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ツクモ(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。すごく長い間更新出来ずすみませんでした；；それでも思い出してここまで読んでくださって本当に嬉しいです。励みになります！ (2022年11月7日 9時) (
レス) id: f2723cd483 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 初コメ失礼致します！大分前にこの作品を読ませていただいて思わず涙が出てしまう程のストーリーで印象に残ったのを、まさかの続きが投稿されたとの通知が来た時に思い出しました!!泣本当に嬉しいですし、書いてくださって本当にありがとうございます…!!応援してます！ (2022年11月3日 0時) (レス) @page45 id: 01f8761484 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - アオさん» コメントありがとうございます！色々想像しながら読んで頂けて嬉しいです！これからもマイペースにではありますが更新頑張ります＾＾ (2022年3月31日 20時) (レス) id: f2723cd483 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 初コメ失礼します！まっつんは夢主ちゃんに嫉妬して欲しくてやってるのかな！？とか思って興奮したり妄想したりしました（（ とても面白いのでこれからも頑張って下さい！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page40 id: 86830cf76c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツクモ | 作成日時：2021年8月30日 22時
