とある少女の存在証明 [文豪ストレイドッグス][名探偵コナン]

24つ目の存在証明 ページ6

『悪いことしちゃったな〜』

　普段なら国木田さんが少し青い顔をして「何をだ」と聞いてきそうなこの独り言も、今は誰一人として反応を示さない。当たり前だ。今此処に居るのは私一人だけだ。それなのに何か反応が返ってきたら、それはこの世に居ちゃいけないもの(妖怪とか幽霊)がいるということになる。苦手じゃないがやめてほしい。

『でもまぁ、しょうがないか〜』

　私は自宅でパソコンを開いて色々調べていた。既に日付は変わっているし、碌に電気もつけず、眼鏡をかけてパソコンを弄る私は周りから見ればきっと不健康極まれりなんだろうな〜と、思う。

『あ〜さっさと寝たい〜。でも、もしも勘があたってたら、大変なことになるからな……』

　帰宅してから数時間。あのいかにも苦労人ですみたいなオーラをしていた風見さんにお守と称して、少しだけ記憶を弄る(・・・・・・・・・)石を渡した。確かにお守としての効果もあるが、如何せんその副作用としての力が強いために、私達の一族は、お守としてじゃなく、任務を完遂させるために、記憶消しの道具として使っている。普段は使わない。否、使えないけど。

『ははっ、その事を記事に書いてやろうかしら。』

　何故そんな事をぼやくか、それは今現在、そういうのを扱うようなサイト、及び雑誌の記事を調べているからだ。内容はかなり低俗なものだけど。

『うーん、でも、あるかもしれないからな〜』

　因みに、普通にサイトや記事を閲覧していない。ものによっては、ちょっと法律に触れそうな方法で閲覧しているものもあるが。

『国木田さん、今此処にいなくて良かったよ〜。』

　いたら絶対に説教されている。国木田さんそういうところに厳しいのは、まぁ、置いておこう。

『あーあ、あの事件のせいだー私の睡眠時間を返せー。』

　普通の事件にはこんなに手間はかけない。あの昼間の事件で感じた薄ら寒い何か。なんとなくだが目星はついてる。今は確認作業中だ。カラカラとホイールボタンを回す音、カチカチとクリックする音が少しだけ響く。

『!!………ビンゴ。』

　思わずにやけてしまった。

『あーあ、あって欲しくなかったなー』

　ディスプレイには、とある出版社が来月発売する都市伝説専門雑誌の記事の一つ。

『うーん、でもしょうがないのか?あー、安吾とかに連絡しなきゃなー。』

　そこには、"拝めば悪人になれる井戸"について書かれている記事があった。

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