少女の存在証明5 ページ13
それから子供達に自己紹介をしてもらった。カチューシャをつけた子が吉田歩美ちゃん。
大柄な子が小嶋元太君。痩せている子が円谷光彦君、そして茶髪で何故か私を物凄く警戒しているのが灰原哀ちゃん。にしても哀ちゃん、なんで私をそんなに警戒しているの?確かに、哀ちゃんからも嘘っぽさは感じるけど。一体何をそこまで警戒しているのか。
『はじめまして。私は徳田Aって言うの。好きに呼んでもらって構わないけど、名字で呼ぶのは絶対にしないでね。』
自分の名字には、あまりいい思い出が無い。なので呼ばないようにと釘を刺しておく。子供達ははーいと元気な返事をしたので大丈夫だろう。哀ちゃんは軽くこくりと頷くだけだった。……そんな反応をされると、逆に気になる。
『哀ちゃんは他の子よりも大人しいのね』
さりげなく頭を撫でながら安吾の異能力を発動させる。
『(異能力……堕落論。)』
瞬間、脳内に流れ出す彼女の大量の記憶。
『(………これは)』
思わず顔を顰めそうになる。彼女の警戒心丸だしの態度もわかるような気がした。
『(成程、昔の私に似ているな。)』
彼女には、親近感が湧くと同時に、きっと彼女なら、私の過去を話しても大丈夫なんじゃないかと思った。
元「姉ちゃん、いつまで灰原の頭を撫でてんだよ。」
『あはは、ごめんごめん』
訝しむように見られ、ぱっと手を離す。
『知り合いと似ていたものだからつい。』
言って、しまったと思った。彼女にとってその言葉はただの恐怖でしかないだろう。
蘭「にしても、Aちゃんって子供が好きなの?」
『まぁ、そうだけど…どうしてそう思ったの?』
蘭「だって、探偵団の皆と接してる時、凄く優しい顔してたから……」
『……まぁそうだね。子供は好きだよ。………特にあれくらいの子は。』
安「へーそうなんですか。そういえばAさん、僕は昨日の色々で貴方に興味を持ったので、色々聞かせてもらっても?」
しみじみと感傷に浸っていると、それを遮る様に安室さんが言った。何故か蘭ちゃんと園子ちゃんは顔を赤らめて私を見てニヤニヤしている。
園「安室さん!それは、Aのことが気になるってことですか??」
安「ええ、まぁいつかは彼女になってくれないかなと」
『(うわぁ………)』
歩「ええーっ、お姉さん安室さんと付き合うの?」
『ナイナイナイナイ。絶っっっ対に無い。』
即座に否定する。変な噂がたったらたまったもんじゃない。
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イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです更新待ってます頑張ってください!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 雨咲 水葉さん» わわっ!マジですか……急いで書いたからかなぁ……すぐ訂正しますね! (2019年8月16日 0時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 突然すみません、最新話の最後のあたりの誤字に気になってしまって....。その辺り、夢主男装してるはずなのに記載されているものは女装になってしまってますよ。 (2019年8月16日 0時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 真昼ノ夜さん» はわわっ!ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。期待にそえるよう、これからも精進していきます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夜 - この小説めちゃくちゃ大好きです!ヘ(≧▽≦ヘ)♪これからも応援してます!! (2019年6月11日 18時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月兎 | 作成日時:2019年5月19日 17時