明けない夜なんてないさ (ページ2)

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▽けページ2

彼女はよく

「明けない夜はない。」

と言った。まるで

「明日は明日の風が吹く。」

と言うように。

あまり意味も分からないこの言葉に背中を押されて俺たちは進んできた。

柊羽に追いつけるように毎日練習していた。

英知みたいに優しくなれるように意識していた。

大変な時もあるけれどみんなの応援でやってこれた。

昔は何かをやり遂げると柊羽や英知、ツキプロのみんなと彼女が褒めてくれた。

今彼女は褒めてくれない、言葉も話さない。

だって彼女は今、長い長い眠りについているから。

別に死んでる訳じゃない、難病にかかっている訳でもない。

ただ、目を覚まさないのだ。

どんなに良い病院に行っても、原因は不明。

このまま眠り続けてあと何十年もある人生を閉じるかもしれないし。体がもたなくなってもう直ぐにでも逝ってしまうかも知れない。

医者は上の事ばかり言っている。もしかしたら

目が覚めるかも知れないのに。