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「ん、ふふっ、あはは、Aは変わってないなぁ」
加賀美さんが笑う。
私、恥ずかしぬ。
恥ずかしすぎて、加賀美さんが私の下の名前を呟く幻聴まで聞こえてきた。
そしてこやつ、顔もいいが声もいい。
もはや顔と声だけで食っていけるレベル。
これなら女性社員の支持は独占状態でしょ。
よかったですね、加賀美さん。
社長の座は安泰ですよ。
秘書も彼女もよりどりみどりですよ。
おめでとう。
いくらでも祝うから早くこの地獄から抜け出させてくれ。
「ふふっ、ごめんなさい、つい」
『…まぁ、これに関しては加賀美さんに非はありませんから』
「お詫びに駅まで案内しますよ」
『え！さすが代表取締役！社長大好き！』
チョロいと笑わば笑え。
こちとら媚びることに躊躇いなんてありゃしない。
家に帰れるならなんでもいい。
早く帰って、梅酒の湯割りと柿ピーで自分の体を労るんだ。
そのためならなんだってやってやらぁ！
「あはは、なら秘書になっていただけますか？」
『お断りします』
前言撤回。一部できないこともある。
そんなやり取りを続けつつ歩いていると、見慣れた時計が目に入る。
５を指す短針が私に時刻を知らせる。
駅前の時計台。
よくデートの待ち合わせにも使われる、忌むべき場所。
でも今はそんなこと関係ない。
おぉ、我が愛しの時計台。
アタシ、貴方を探して彷徨っていたのよ。
やっと出逢えた、マイ ラバー。
「この辺に来ればもうわかりますかね？」
加賀美さんはそう言って、踵を返していった。
今度こそちゃんとお別れだ。
もう二度と彼と会うことはないだろう。
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ちゃんと続きます。御安心を。
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槻瀬 - 月宮さん» ありがとうございます。励みになります！今後もお楽しみいただけるよう頑張りますので、ご愛読くださると嬉しいです！ (2022年2月23日 18時) (
レス) id: 7764877de3 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - 正直めちゃくちゃ好きです！更新うきうきしながら待ってます！これからも頑張ってください！ (2022年2月23日 18時) (レス) id: 07efc9d176 (このIDを非表示/違反報告)
槻瀬 - 桜庭さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！今後も楽しんでいただけるよう、頑張ります！！ (2022年2月12日 17時) (レス) @page12 id: 7764877de3 (このIDを非表示/違反報告)
桜庭 - 初コメ失礼します！久しぶりに好みの作品を見つけてテンションが上がりに上がってます！と言うか、絶対に文才有り余ってますよね？天才すぎます……！これからも更新、無理せず頑張ってください、応援しています！ (2022年2月12日 14時) (レス) @page12 id: 55f43bcce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：槻瀬 | 作成日時：2022年2月11日 13時
