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「ねぇ、めめ」
彼はその中身を開封しながら、
その片手間みたいな軽い感じで俺の名前を呼んだ。
「それ、しまって」
「え？」
阿部ちゃんはそこで初めて顔を上げて、
自身の口元をツンツンと触りながら、
俺に何かを訴えている。
一瞬、彼が何を伝えようとしているのか、理解できなかった。
「歯」
俺の歯は、
吸血時のみ出現する。
それはコントロールというか、
本能というか。
血を吸おうと思えば伸びるし、
そう思わなければ伸びてはこない。
「今日はもう無理だよ」
指摘されてから口元に手をやると、
確かに歯が鋭く伸びていた。
…いつからだ。
「まさか、無意識？」
阿部ちゃんが、訝しげな顔をしてこちらを見ている。
こんなこと、今まで無かった。
だから、そのしまい方もよくわからない。
むしろ、彼に指摘され、
俺の身体はすっかりその気になってしまったらしく、
首元が少し伸びた部屋着から覗く首筋に誘われ、
耐え難い衝動に襲われる。
「…最近、ちょっとおかしくない？」
彼は手際よく準備を進めていた手を止めて、
口元を手で隠した俺に
真面目な顔でそう言った。
「気づいてる？」
「…」
返事をしたかったが、
俺の目は彼の首筋に釘付けで、
心配顔で近づいてくる彼の香りに嫌というほど反応してしまう。
自制が効かないなんて、
本物の吸血鬼みたいじゃないか、
と、俺は静かに近付いてくる彼の姿から目を逸した。
「…ごめん、
責めるみたいな言い方した」
悪いのは俺なのに、
彼は申し訳無さそうなかおをして俯いてしまった。
悪いのは阿部ちゃんじゃないよ、
そう言いたいのに、
今目をあわせてしまえば噛み付いてしまいそうで見れない。
「めめ？」
阿部ちゃんが、
必死で逸していたはずの視界に滑り込んでくる。
まずい、
そう思った時にはもう遅かった。
「…あ、う」
気づくと、あの味が口の中に広がっていた。
酒よりも中毒性があり、
チョコレートよりも甘い。
駄目だとは分かっているのに、
俺の欲望は、一瞬にして満たされていく。
「やめ、」
彼がか弱い力で俺の胸を押して、
俺はようやく我に返り、
慌てて彼の首筋から歯を引き抜いた。
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haryu(プロフ) - パスワードにつきましては、調べればすぐに出てくる簡単なものになりますのであえて明言はしないつもりです…どうしてもの場合は、この界隈で気を付けていることをメッセージ等で教えていただけましたらお伝えするかもですが、とっても簡単なので調べてみてくださいね (2021年7月27日 21時) (
レス) id: 4773123c33 (このIDを非表示/違反報告)
maeson(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております☆PWの件でメッセージを送りましたので、確認していた抱けると嬉しいです。よろしくお願いします。 (2021年7月16日 0時) (レス) id: fb509ff87f (このIDを非表示/違反報告)
るあ - すみません（汗）1つ聞きたいのですが、haryu様がパスワードを掛けている作品のパスワードが分からないので答えてもしくはヒントを頂きたいです (2021年7月13日 21時) (レス) id: 6c3c1d460c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2021年1月2日 22時
