③澤村の妹は青葉城西高校で岩泉の彼女【HQ】 (ページ28)

今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:105,972 hit

#89！ページ28

依千花side

今日の仕事も全て終わったところで、部屋で女子会をする模様。

貴「何か飲み物買ってきましょうか？」

始まる前にそう聞いてみると、みんなで買いに行こうということになり、自販機に向かう。

全員が買い終わり、部屋に帰ろうとすると向こうから繋心さんが。

あ、やばい。

烏養「あ、いたいた。すまんがこいつ借りてくな。」
貴「はぁ…。すいません、先に戻ってもらって大丈夫です。」

やはり、今話さなければならないようです。

私以外のマネが部屋に戻ったのを確認し、自販機の横にあったベンチに腰掛けた。

烏養「あ～。その、だな。」

なかなか切り出しにくいのか口籠もる繋心さん。

貴「私がバレーをしてないことについてですよね？」

私から切り出した。

烏養「あぁ。4年くらい前だったか？ジジイのとこに練習しに来てた癖に、気づいたら来なくなってた。誰も理由を知らないまま、今日になった。」

そこで一度間をあけ、こちらを見た。

烏養「一体、何があったんだ？」

その目を真剣そのものだった。

貴「少し長くなりますが、聞いてくれますか？」

繋心さんの目を見たら、生半可な返事はできないと思った。

だから、あの時に何があったのかを全て話した。

膝の上で握りしめた拳にいくつもの水滴があり、さらに次から次へと溢れていく。話している間に涙が溢れていたようだった。

繋心さんは何も言わなかった。

何も言わずただただ背中をさすってくれていた。

涙が止まり、繋心さんの方を向いた。

すると、待っていたかのように口を開いた。

烏養「何があったのかはわかった。そんなことがあってバレーを続けろって言われても無理な話かもな。けどな、今の話を聞いてる限りじゃ、もう1回バレーがしたいってようにも聞こえた。」

！

そう言われて、戸惑う。

私は、またバレーがしたいの？そういえば、一さん達とバレーしてる時もコートに戻りたいと感じた事はあった。

それは認める。

繋心さんと別れて、部屋に戻っても何回も何回も考えてしまう。

他のマネさん達に断りを入れて、先に寝かせてもらった。

けど、眠れない。

気づいたら、他のマネさんの寝息が聞こえていた。