3日目 三日月〜若月〜 ページ4
朝、目覚めると何故か隣でキングが寝ていた。
「はぁ…おい、キング。起きろ。」
「んぅ…もうちょっと寝かせてよ…ジョーカー…」
「だめ、ここで起きねーとお前ずっと寝てるだろ。」
バサッとキングが包まって寝ていた掛布団を奪った。
「寒いぃ…」とブルブル震えてるキングを見ると、小さい子供を連想させた。
「ほら、飯作るから手伝えよ」
「えー、エースに頼めばぁ…?いつも早起きなんだしぃ…」
口調がまだ眠そうで、使えそうにもない。
「ったく、しょうがねーなー…」
寒い廊下を歩いてエースを呼びに行く。
「エース?いる?」
そう聞くといつもは「いるよ〜」という、呑気な声が聞こえてくるのだが今日は聞こえてこない。
まさか、まだ寝てんのか…?
「エース、開けるよ?」
一応許可を取ってドアを開けた。
するとベッドの上でエースはうずくまっていた。
「エース…?」
「やっ…近づかないで…っ!」
そう言って弱弱しく俺を見たエースは、何かに怯えている子犬ようだった。
「どうした?エース。」
「いや…また独りになっちゃう…みんな、みんな…!」
また?
俺は、いや俺たちはそれぞれの過去を知らない。
過去どころか、名前も。
でもあえて詮索しようとはしない。みんな訳があってここにいるのだから。
「エース…」
「ねぇ…ジョーカー…もう限界だよ、俺…!」
「ん、よく頑張ってるよエースは。」
「ぐずっ…ジョー…カー…辛っ…辛いよぉ…!」
そう言って泣いているエースの背中をさすった。
「ジョーカー?飯、まだ?…って、どした?」
「んー、よくわかんない…エースになんかあった?」
逆に聞き返すと「たぶん、昨日の事」と呟いた。
「エース!!」
「ジャック…。」
部屋にすごい速さで入ってきたジャックの目は少し殺気立っていた。
「エースに何したんだよ!」
ぐっと襟首を掴まれる。凄い力で掴みかかっているので振りほどけない。
「ジャック、落ち着いて。ジョーカーは悪くないよ、ね?」
キングが止めにかかった。
「はぁっ…ごめ、ジョーカー」
「いいけど…なぁ…」
問うていいのか、迷ったけどこのままモヤモヤしているのも嫌だった。
「エースに何があったんだよ…」
そう言うと、エースとジャックは少し動揺した。
ジャックはずっとエースの頭を撫でていた手を止めた。
すると、エースはゆっくり頷いた。
「分かった。話すけど…ここじゃなくて、違うところにしよ」
そう言って、ジャックは暫くエースの頭を撫で続けた。
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ゆーこ - 面白い!!笑 ガンバ・ω・ (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9179d43836 (このIDを非表示/違反報告)
甘桜(プロフ) - ぴとで☆さん» 返信遅れてごめんなさい!!ありがとうございます!これからも更新が遅くなってしまうかもしれませんが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2016年1月4日 11時) (レス) id: bf8fe169ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴとで☆ - 面白いです!シゲが好きなのでこのお話大好きです^o^ 更新待ってます!無理しないで頑張ってください(*^◯^*) (2015年6月27日 23時) (レス) id: 16744bdbf8 (このIDを非表示/違反報告)
甘桜(プロフ) - 五関 柊華さん» コメントありがとうございます!!更新できるだけ頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2015年2月23日 16時) (レス) id: bbd6f2d372 (このIDを非表示/違反報告)
五関 柊華(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります!笑 更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2015年2月23日 0時) (レス) id: 82e82354b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘桜 | 作成日時:2014年2月2日 16時