Moon〜月ノアカリ〜

9日目　　九日月 ページ15

最近事件が多発している。
人の少ない路地裏で首や腹などの数か所を刺されて死んでしまう、猟奇的殺人だ。
警察も総動員で調べているがこの事件は迷宮入りになる可能性の方が高かった。

「厄介な依頼だなぁ…これは」

今持っている書類に書かれている氏名欄には、その事件に巻き込まれた被害者の妻の名前が書いてある。

「なにやってんの、また依頼？」
「うん、そうなんだよ。でも…」

俺が持っている書類を俺からとると、ジョーカーも眉間にしわを寄せた。

「これってさ、今起きてる…」
「そう。この依頼はジャックとエースに…」

そこまで言いかけると、ジョーカーは「エースはやめた方がいい」と言った。

「なんで、」
「今あいつ思い詰めてるみたいだから…」
「え？」
「なんか…ジャックとなんかあったみたい。」
「…そっか」

ジョーカーは一番冷静にメンバーのことが見れる。
だから異変にはいち早く気付くことができるのだ。

「あいつら、大丈夫かな」
「…うん、たぶん大丈夫だよ」

だって、あの2人だもん。
今まで高い壁だって2人で乗り越えてきたんだもんね。

「まぁ、キングが言うなら大丈夫だな」

そう言ってジョーカーも笑ってるし。

大丈夫。きっとまた4人で笑いあえる日が来る――……・・・・

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