Moon〜月ノアカリ〜

1日目　　新月〜朔〜 ページ2

今宵も月の明かりに包まれて、1つの部屋が怪しく照らされている。
そこで4つの怪しい影がゆらゆら揺れていた。

「キング。」
「ん？どした、ジョーカー」
「今回の敵、ちょっと厄介。もっと攻めていった方がいい。」
「ありがと、ジョーカー。」
「気を付けて。」

今日もまた、4人で一つの机を囲んでいた。

「じゃあ、ジャックとエースでここから攻めて。ジョーカーはここで作戦伝えて。」
「ふふっ、そんなことしなくても俺とエースでパパッとかた付けるよ。」

ジャックは少し不気味に笑った。

「うん、頼りにしてるよ。」
「じゃあ、行ってきまーす」

―――……・・・・

「うっわ、なにこれ…」

ここで見たものは悲惨なものだった。
異臭が漂い、ごみなどが散乱している。

「うっ…」

エースが少し嘔吐いた。

「大丈夫、エース、違うよ。」
「ん…大丈夫…」

ジャックはエースの肩を抱いて、敵がいるという地下へ向かった。

ガタンッという大きい音とともに扉を蹴り開けた。

「おい、誰だ！！」

建物の中にいた一人の男が叫んだ。

「ふぅ〜ん、こいつら？情報持ってんの。」
「そうっぽいね、行こうか、エース！」

そう言ってエースとジャックはそこにいた20人くらいを軽々と片づけてしまった。

「エース、終わったよ。」
「ふぅっ…」

大きく息を吸ってエースは穏やかな笑顔を作った。

「帰ろっか。」
「うん、すっげぇ疲れたし…」
「さーて、パソコンっと…」

とりあえず近くにあったパソコンからメモリカードを抜き取った。
そのまま2人はこの悪臭に耐えられず、気を失いそうになりながら外に出た。

―――……・・・・

「ただいまぁ〜」
「おかえりなさい、今ジョーカーがご飯作ってて…」
「ゴメン、俺食欲ないから、今日寝るわ。」
「あ、うん…、お疲れ様」

エースは顔色が悪く、今にも倒れそうになりながら自分の部屋に入った。

「なにがあったの、ジャック。エースがご飯食べないなんて異常じゃない？」
「うん、それがさ…」

さっきあったことを全部話すとキングはなるほど、と呟いた。

「あ、でこれがデータ。」
「お疲れ様です。ジョーカー？」
「なに？ご飯ならもうできたよ」
「うん、このデータの復元できる？」
「…勿論。今からやる。」

そう言ってジョーカーは自分の部屋に戻って行った。

「じゃあ、ご飯食べようか。」
「うん」

そうして2人でご飯を食べ、深い眠りについた。
さぁ、明日はどんな月が出るのだろうか――…

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