見殺し ページ22
ボス部屋が、阿鼻叫喚に包まれた。
なぜ、みんなそんなに取り乱してるの?死んだら、蘇生ポイントに戻るんだよ?
──これはゲームであっても、遊びではない
……あ、そっか。死んだら終わりなんだ。ゲームオーバー。
私は素早くウインドウを開き、武器を短剣から槍に変えた。
私の目には、倒すべきターゲットのコボルド王だけが写っている。
嗚呼、懐かしい……。
『──ッ、うわあぁぁあぁぁぁああ!!』
槍ソードスキル【ソニック・チャージ】
HIT数:1
ボスのHPが僅かに削れた。
「……ルーリア?」
『キリト!』
私とキリトの視線がぶつかる。その瞬間、全てを察したように、キリトがニヤリと笑った。
「わたしも行く。パーティーだから」
『……仕方ない。今回だけは、後衛に徹してあげるよ』
2人の実力は、近くで見ていた私が1番よく知っている。
こんな2人が揃っているなら、
*
「お疲れ様」
アスナの言葉で我に返る。
終わった……のか。
なんと言うか、無我夢中だった。途中、キリトとアスナがPOTを飲みHP回復のため後ろに下がった辺りの記憶はほぼない。とにかくボスのHPを減らすことしか考えていなかった。
『キリト、アスナ。おつか』
「──なんでだよ!! 」
私が2人に声をかけようとしていた時、半ば裏返った、ほとんど泣き叫んでいるかのような声が広間に響き渡った。
振り返った先にいたのは、軽鎧姿のシミター使い。
「──なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんだ!!」
嗚呼、そっか。この人は、
『C隊の……』
「見殺し……?」
隣のキリトが、意味がわからないという風に呟いた。
「そうだろ! だって……アンタは、ボスの使う技を知っていたじゃないか!! アンタが最初からあの情報を伝えていれば、ディアベルさんは死なずに済んだんだ!!」
血を吐くような叫びに皆が便乗し、次々とキリトを責め立てる。挙句の果てには、アルゴまでもが責められ始めた。
この流れは非常にまずい。
今ここで『私も元テスターだ』と名乗り出ても、更に混乱を誘うだけだ。だからといって、キリトやアルゴだけが責められるのは許せない。
私だって、元βテスターなんだから。
『キリト……?』
キリトは私達より1歩前に出て、冷ややかな目をシミター使いに向けた。
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SHEI☆(プロフ) - こおりざとうさん» いえ…………僕のスマホのバグかもしれませんので。他の方は名前変換のことは何も書いていませんので、やはりバグかな?と、思っています。 (2018年1月12日 17時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - SHEI☆さん» それは失礼しました。現時点では原因がわかりませんが、色々と試してみようと思います。 (2018年1月12日 16時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
SHEI☆(プロフ) - すいません、何故か名前変換出来ていません…………(つд;*) (2018年1月11日 16時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 見かけ倒しのジョージさん» コメントありがとうございます! 面白いと言っていただけるのは、すごく嬉しいです!! これからも頑張ります (2017年2月22日 20時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
見かけ倒しのジョージ - 凄く面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年2月22日 7時) (レス) id: 0ec802a08c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こおりざとう | 作成日時:2015年9月22日 22時