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3話 ページ4

完全に自分達の空気を作っていた五条と伏黒、Aに、思い出したように虎杖は声をかける。




「ちょ、ちょっと! その可愛い子だれ!!」

「紹介するね! この子は、」
『初めまして、虎杖悠仁くん。釘崎野薔薇ちゃん。』




待ってましたといわんばかりの勢いでAの紹介をする五条を遮るように、Aは自己紹介を始めた。

がっくしと肩を落とした五条などお構い無しだ。




『私は五条Aです。悟くんの妹で、恵くんとは幼馴染みなの。』

「幼馴染みじゃない、昔馴染みだ。」

『冷たいなあ……。』




そこからはあっという間だった。

Aも虎杖も仲良くなるのは早いタイプで、釘崎も同性の友達にテンションが上がったのだろう。

気づいたら連絡先を交換し、名前で呼び合う仲になっていた。

最近の若い子は凄いなあ、と関心する若干28歳など置いてけぼりである。




「Aも呪術師なん? その制服はカスタム?」

『あ、私は高専生じゃないんだよね。呪術師ではあるけど。』

「制服可愛いわよね。私、ブレザーって憧れなのよ。どこの?」

「そいつの学校、驚くぐらい頭いいぞ。」




ん、と伏黒が差し出したのは、高校受験生向けにまとめられたサイト。

そこには、偏差値78の文字。




「はあ? 78!?」

「めちゃくちゃ頭いいじゃない!」

「そーーなんだよねえ!」




大きな声に、店の中の視線が一気に集まる。

慌てて周囲に頭を下げるAと伏黒。

そんな2人などさておき、五条は得意気に喋り始める。





「Aってば、可愛いし、スタイルいいし、頭もいいし、運動だって出来ちゃうし、可愛いし、」

「なあ、釘崎。可愛いが2回出てきたな。」

「そうね。」

「呪術師としてもめちゃくちゃ強いし、何より可愛い!」

「3回だったわね。」

「だな。」




五条の勢いは止まるどころかヒートアップしており、声も比例して大きくなる。

周囲からはヒソヒソと、確かに可愛いという声が聞こえてくるようになった。

Aは自分の容姿が整っていることは自覚済みである。

スラリとした長い手足に、傷みとは無縁の白髪。

何より、長いまつ毛に縁取られた、青色に輝く大きな瞳。

五条より幾分か深い青色のその瞳は、当然Aの自慢であった。




『さ、悟くん! 声大きいから!』

「五条先生、シスコンなんだな。」

「そーとー重症ね。」




取り残された伏黒は、大きく溜め息をついた。




「早く帰りたい。」

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2022年1月24日 4時

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