お友達になって下さらない? ページ8
中に入った瞬間、優しい香りに体が包まれた。
「やあやあ。ただいまぁ、みんな。」
「あ、帰ったンですか、太宰さん。」
暢気に手を挙げて挨拶する太宰さんに返事をしたのは、少し大きめな服の所為か萌え袖になっている青年(多分、私と同じくらい)だ。
てか、あんまり歓迎されてなくない?太宰さん。
「お帰りなさい、太宰さん。……あら?」
ーー其方の子は?
と首を傾げるのは
なんて云うか、可愛い。もの凄く。
ちなみに私、中に入る直前に太宰さんの手を無理矢理ふりほどいた。
今は太宰さんの後ろに隠れている。
なんと云っても、太宰さんは身長が高いから私(155cm)なんて簡単に隠れる。
あっはは。身長低くて善かったなァ!!!(
と、兎に角、挨拶はしなくちゃいけないよね……
『あ、えと。初めまして。篠はウグッ』
一寸待って、変な声出た!!!
私が太宰さんの後ろから少しだけ身を乗り出し、自己紹介しようと思ったら、先程の可愛い子が飛び付いてきた。
髪からフワリと漂ってきたシャンプーの香りが、私の鼻孔を擽った。
「私はナオミと申しますの!! お名前は?」
『あ、と。し、篠原A、です……。』
「Aちゃんね! 名前まで可愛いだなんて……。
あの、もし宜しければ、お友達になって下さらない?」
な、なん・・・だと――――――んですと←
私が!?こんな可愛い子と!?
『あ、の……』
「ほらほらナオミ。その子、困ってるよ?」
「その子ではありませんわ、兄様! ちゃんと、Aちゃんっていう名前が有るんですから!!」
……ど、どうしよう。
というか、萌え袖君とナオミちゃんって兄妹なんだ……全然似てない。
『あ、あの! ナオミ、ちゃん、』
私が声をかけると、ナオミちゃんは笑顔のまま私の続きの言葉を待ってくれた。
『私、で良ければ…その、友達に! なって、ください……。』
「ええ、勿論ですわ!」
ナオミちゃんはにっこり微笑むと、パンと手を大きく鳴らした。
「そうだわ! あっちでお茶でも飲みましょう?
与謝野先生と鏡花ちゃんも誘って、女子会なんてどうかしら?」
『あ、うん。』
いきなりの展開に頭が追いつかず、とりあえずチラリと太宰さんを見ると、太宰さんは行っておいでと笑っていた。
────何だか、此処の人たちは信頼できる気がした。
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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(?)良い気がしますね…!次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります! (2016年11月2日 21時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…!でも面白かったので良し!!更新頑張ってください! (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい! (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます!!面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年7月12日 22時