【文豪ストレイドッグス】シにたがり少女の生く(いく)末は

おー、良く飛びました。 ページ41

「Aさん。」

『なあに、賢治君。』

「これ、国木田さんからです。」




そう云って賢治君から手渡された1枚の紙。
その紙の1番上に太い線で書かれた文字を見て、私は紙飛行機を折った。

そしてそのまま紙飛行機を国木田さんの方へ飛ばす。




『おー、良く飛びました。』

「なァにが、良く飛びました。だ!! 巫山戯てるのか!!」





私達の一連の流れを聞いていたらしい国木田さんは、私が飛ばした紙飛行機を元に戻し乍ら怒号をあげる。






『厭ですねえ、国木田さん。私は常に全力ですよ。全力 is best』

「じゃあ何だこれは!!」

『紙飛行機です。良く折れてるでしょう？』

「ああ、羽の角度が絶妙だ。
……じゃない！ 之は仕事の依頼だ。こんな重要な書類で紙飛行機を折るな。」

『だったら、私にそんな重要な書類を渡さないでください！』






私の言葉に国木田さんは、おお、済まんかったなと眼鏡のブリッジをあげる。





『判れば宜しいのです。』

「以後気をつける。……ではなくてだな!!」




全く……執拗い男は嫌われるぞ、国木田さん。




「之はAへの依頼だ！ 受け取れ。」




私の机に、国木田さんは仕事の依頼書を叩きつける。

潤君と敦君が、大きく肩を跳ねさせた。
太宰さんに至っては、私の視界の端の方で必死に笑いを堪えている。









『国木田さん。』

「なんだ。」

『私、この仕事厭です。』

「文句を云うな。この仕事はウチが引き受けた。お前が遣れ。」

『私に有るのは権利です。』

「知らん。遣れ。」









……解せぬ。

尊敬に値する。→←院長先生、云ってた。

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