ピリピリ ページ39
乱歩さんに指定された場所に小走りで向かうと、其処には太宰さんがいた。
太宰さんは私を見つけるなり、嬉しそうに笑顔を浮かべ両手を広げる。
「やあ、Aちゃん! 遅かったねえ。ずっと待っていたのだよ?」
『余り近寄らないで下さい。この花束、異能で創り出したモノなんですから。
……あと、そんな判りやすい笑顔浮かべてないで、目的を話して貰えませんか?』
私の言葉に太宰さんは少し目を見開いたが、再び笑顔を浮かべて、何のことかなと首を傾げる。
「Aちゃんは、如何してそんなにピリピリしてるの?」
『そんなのっ、……そんなの、』
「怒らないから云ってごらんよ。」
『……朝からずっと、誰に何を聞いてもはぐらかされて。私ってそんなに信用無いかなって。』
「Aちゃんは可愛いねえ。
でも君なら、判ろうと思えば判っただろう?」
ニヤリと意味有り気に笑う太宰さん。
彼の眼には、確信の光が灯っていた。
『意味判りません。私を神か何かと勘違いしてるんじゃないですか?』
太宰さんは何も云わずにふわりと笑い、一言、行こうと云って歩き出した。
『……だから、何処に行くんですか。』
「君にしか出来ないことだ。」
先刻までの笑顔は何時の間にかすっかり消え、太宰さんはスッと長い指で遠くを指さした。
其処には……
────ベンチに座る敦君がいた。
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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(?)良い気がしますね…!次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります! (2016年11月2日 21時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…!でも面白かったので良し!!更新頑張ってください! (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい! (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます!!面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年7月12日 22時