全員集合 ページ14
聞きたい事がある。
が、1番慣れている太宰さんが未だに隅の方でイジけている為、ナオミちゃんの制服のスカートをクイッと引っ張る。
「……？
どうしたんですの？ Aちゃん。」
『ナオミちゃんのお兄さんの名前、まだ聞いてなかった。』
「そう云えば、そうでしたわね。という訳で兄様、自己紹介して差し上げて？」
「ああ、うん。
僕は谷崎潤一郎。知ってると思うけど、ナオミの兄です。」
『谷崎……うん。宜しく、潤君。』
私の言葉に、潤君は驚いたように目を見開いた。
ナオミちゃんは何故か嬉しそう。
「潤君！ 素敵な響きですわね……。私も呼んでみようかしら。……ね？ 潤兄様。」
ナオミちゃんは妖しい笑みを浮かべ乍ら、潤君の輪郭を人差し指でなぞり、その指を自らの唇に当てた後、潤君の唇に持っていった。
「ちょ、ナオミ…!?」
「うふふ、之でナオミと潤兄様は1つですわね。」
「そんな云い方やめなよ……。」
「あら、私に口答えするなんて……随分と偉くなったのね。」
何なんだろう、この2人は……。
敦君と国木田さんは純粋なのか、頬を赤らめてあからさまに目を逸らした。
与謝野先生はニヤニヤと眺め、鏡花ちゃんは首を傾げている。
江戸川さんはと云うと、興味も無さそうに駄菓子を貪っている。
『…………やっぱ変人の集まりかよ。』
「ただいま戻りましたー！ …って、あれ？」
丁度帰ってきた(？)のは、麦わら帽子を下げた男の子。
「初めまして。僕は宮沢賢治です。新入社員さんですか？」
『えっ、あ、はい。篠原Aです。宜しく……。』
吃驚した。いきなり話しかけてくれたから。
いつの間に立ち直ったのか、太宰さんは「おや、全員集合だねえ。」と暢気に笑う。
────何だよ、先刻まで死にかけの鼠みたいな顔だったのに。
まあ、死にかけの鼠なんて見た事ねえけど……。
「よぉーし！ 今日はAちゃんの歓迎会だね。勿論、国木田君の奢りで!!」
「巫山戯るな!!」
「私は何時でも本気だよう？」
「……ハァ。そんな事より、すべきことが有るだろう。」
あからさまに大きな溜息を吐いた国木田さんは、私を見た。
一寸緊張する……。
「おい小娘。貴様の入社を社長が許可したなら、俺は何も云わん。
ただ、親への連絡無しに決めていいのか？」
真面目な顔して云うから、深刻な事だと思ったのに、何だそんな事か。
素直に私はこう思った。
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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(？)良い気がしますね…！次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります！ (2016年11月2日 21時) (
レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…！でも面白かったので良し！！更新頑張ってください！ (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい！ (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます！！面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こおりざとう | 作成日時：2016年7月12日 22時
