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偶然であり“必然” ページ1

〖太宰side〗

今思えば、私達の出会いは偶然であり“必然”だったのだろう。









「心中は〜1人では〜出来ない〜」









あの日、何時ものように仕事をサボり川沿いを歩いていた。


あ、間違えた。


あの日、何時ものように仕事の為に川沿いを歩いていた。





空は雲1つ無い快晴。


いやあー、善いジサツ日和だね!









「今日はこの辺りから入水しようかなぁ……ん?」








綺麗、かつ流れの早い川を探していると、私から数百(メートル)ほど離れた位置に少女が立っていた。








ーーよし、今日は彼女に心中を頼もう!!









こう思った私は、鼻歌を歌いながら少女に近づいた。



太陽に照らされてキラキラと輝く茶髪に、長い睫毛に縁取られた大きな目。

僅かに伏せられたその瞳は、憂いに満ちている。



誰が見ても口を揃えて云うだろう。


ーー美人だ、と。









「おおーい、お嬢さーーん」








私は手を振り乍ら少女に近づく。









その時だ。少女に異変が起きたのは。








今迄ジッと川を見つめていた少女は、ゆっくりと川へと足を進めていった。









「んなっ……!!」








私は急いで彼女の元へと走り、後ろに腕を引っぱる。









「莫迦っ! いったい何を……」


『又だ……』


「はっ?」


『又、死ねなかった。』









そう云って自傷気味に笑う少女は、ゆっくりと顔を上げた。


「……ッ」






手入れが行き届いている綺麗な茶髪。


長い睫毛に、整った形の眉。


桜色で、少し薄めの唇。


小振りでツンとした鼻。









そして、私を捉えて離さない、茶色い瞳が特徴的なジト目。









人形のように整った顔の少女が其処にはいた。









『どうして私を助けたんですか。









私、シにたかったのに────』









こう云った少女の瞳には、一切の光は無かった。

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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(?)良い気がしますね…!次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります! (2016年11月2日 21時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…!でも面白かったので良し!!更新頑張ってください! (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい! (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます!!面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年7月12日 22時

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