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この辺りで1番高いビルの最上階。

其処に、ポートマフィアの首領・森鴎外はいる。





硝子張りの昇降機(エレベーター)に乗り込み、一気に最上階まで上がる。






昇降機は徐々にスピードを落とし、やがて止まった。


音も立てず、静かに昇降機の扉が開くと、廊下には毛足の長いカーペットが敷かれている。






私の、踵の高いブーツで歩いても、全く音が立たない。









執務室の前に行くと、見張りの黒服さんが黙って道を開けてくれた。


“顔パス”というやつだ。









私は1度前髪を撫で付けた後、執務室の扉を開けた。



『失礼致します。咲波です。』

「あっ、Aだ!!」





私が執務室に這入るや否や、エリスちゃんが飛びついてきた。





『うわわ、エリスちゃん。』



本来なら、エリスちゃんに対しても敬語を使わなければならないが、エリスちゃんの

「Aは、私に対して敬語禁止だよ。」

という可愛らしい笑顔でのお願いと、首領からの

「エリスちゃんがこう云ってるし、よろしくね。」

という、謎の威圧の元、敬語は外している。







「A! 後で一緒に遊びましょ? 善いわよね、リンタロウ!」

「勿論だとも、エリスちゃん。」

「やった。
Aに読み聞かせて貰いたくて、外国の絵本を買ったのよ。」


『……外国の、絵本?』


「ええ。前にA、外国の組織の人とお話してたでしょ。
その時のAのエイゴ、とっても綺麗だったから。」






子ども特有の純粋な目と云うのだろうか。

エリスちゃんは、キラキラと輝く目で私を見てきた。







「それじゃあエリスちゃん。少しだけ、隣の部屋に行ってもらって良いかな。
終わったら直ぐ呼ぶから。」


「……リンタロウのお願いを聞くのは厭だけど、Aの為だもの。仕方ないわ。」

『エリスちゃん。それ、思っても口に出しちゃ駄目なやつ。
首領がハンカチ咥えて、凄い形相で此方を見てきてるんだけど。』









エリスちゃんは、私の言葉など聞こえていなかったのか、はたまた聞こえててやったのか……

首領に、

「リンタロウ、きもい!!」

と云い残して、隣室へと消えた。

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こおりざとう(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなり申し訳ありません…!ギャグ系のお話を書くのは苦手意識があるので、楽しかったと言ってもらえると、凄く嬉しいです! (2017年12月28日 22時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ヒロインのノリ&ツッコミ、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月20日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - haruさん» お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて、とても光栄です! 更新頑張ります。 (2017年1月1日 2時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
haru - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 9時) (レス) id: 6436e63b4f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - あいかさん» コメントありがとうございます! このコメントが、今年のクリスマスプレゼントになりました(笑) 更新頑張ります!! (2016年12月27日 0時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年10月4日 1時

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