私にミクが（２）『プロセカ』『初音ミク』『百合』 (ページ45)

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15ー9 ページ45

「どうして…？」
　
ミクは声を震わせてそう言った。
それの何がダメなのだろうか。
こちらとしては正直好都合なのだが。
　
「ｯそんなこと言わないでよっ…」
　
ミクは少し声を荒げてそう言い放った。
その声に私はビクリと体を震わせた。
　
「え、私喋ってないよ！？
…ってことは読めてるじゃん？！」
　
「っえ、あれ…？」
　
次にミクは目をぱちくりして私を見る。
何処となくミクは、少し安心している気がする。
　
「…さっきAのお姉さんの話をしている時は
………読めなかったのに」
　
「っ！」
　
ふと、思い当たる節がある。
私はその時昔のことを考えていた。
しかも、昔のミクがいた…小学生の時のことだった。
　
ちらりとミクを見ると、少し顔を歪めていた。
　
「A…また読めない…
何を考えているの…？」
　
「………別に、昔のことかな」
　
「…なんでだろう
Aの昔のことなら何でもわかるのに…
　
あ、でも………
…確かに何年間かの記憶が……無い？」
　
ミクはそこら辺に落ちている本を開く。
それをチラッと見ると昔の私が載っていた。
　
小さい頃や、お姉ちゃんと写っていたり、沢山の写真と文章がその本にはあった。
　
これは…記憶のアルバムとでも言えばいいのだろうか。
　
あぁ、でもきっとそうだ。
　
ミクが家に来た当時の記憶の写真がほぼ載っていない。
ミクが関係する記憶は排除されているみたいだった。
　
………私が打ち明けなければならない…ということだろうか。