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「ごめんね、ミク
ミクが嫌いなんじゃないんだ
好きだよ、ここにいてくれて嬉しいよ
救われてる
…でも、私は皆んなに期待されてる
されてないかもしれないけど…私、何でだろう?
本当は嬉しいことなのに…
みんなに好かれることが何で嫌なんだろう
…って考えてみると最後に行き着くのは、ミクなの
ミクが、好きだから、外の奴らに興味無いんだってわかる
ミクが嫌いなんじゃ、ない
ごめんね、浮気じゃないんだ
……信じて欲しい」
私は長々とミクに告げる。
ミクは真っ赤な瞳で私を見つめている。
しかも表情を一切変えず、動かない。
心臓が飛び出そうになる。
数秒後、ミクは動いた。
ミクは黒いハイヒールを鳴らしながら椅子から立つ。
「………それは、Aの本当の想いなんだよね
信じるよ、ミクは」
そう言ってミクは目をパチパチする。
すると、ミクの瞳は紅色からブルーグリーンに戻った。
服も元に戻っている。
「…やっぱりAの事っ好き!」
そう言って抱きついてくるミク。
でも、気づいた。
今のミクは、私が持ってるV4Xの姿だ。
それが元の姿と思った。
でも、違う…きっと違う。
この姿は、私だけの想いで作られた…ミク。
だから、さっきの姿のミクは…
本当の想いからできた…ミク。
今の姿は私に都合が良すぎる。
でも、さっきの姿だと少し我儘で、独占欲が強い感じがした。
「…そっちの方が、今は…」
________…好きかも
何だかそう思ってしまった。
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作者名:テア | 作成日時:2022年6月24日 18時