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15ー1 ページ37

「あら、おかえり」
 
「ただいま、お姉ちゃん」
 
リビングに入るとお姉ちゃんはスマホを見ていた。
今流行りの…ボカロ曲を聴いている。
少しして、お姉ちゃんはこちらをやっと向く。
 
「今日はすぐに帰れる日じゃなかったの?」
 
「あー…学校の人の……歌、聴いてた」
 
「へぇ、バンドの子達?」
 
「ううん
ストリートミュージック…かな
他の学校の人もいたよ、男の子とか」
 
「へぇ!楽しそうじゃない!」
 
「うん、楽しかった」
 
私はお姉ちゃんに笑顔を見せる。
 
「A」
 
「ん?どうしたの?」
 
「こっちに来て…良かった?」
 
それは何を意味しているのか安易に予測できた。
…高校受験が終わったら,その高校の近くに移動しようって決めた。
その時に話した、私が自己中って事。
 
そして、私の周りの事。
 
「…うん」
 
良くも悪くも…私を特別扱いする人はいるけれど。
 
「嫌われてはないよ
 みんな優しいの」
 
そう、きっと皆んなは私の本当の姿を知らない。
お姉ちゃんですら、知らない。
知っていてほしくない。
壁を作らない為にはいい子ちゃんを演じらなければ。
じゃないと歯止めが効かなくなる。
 
嫌われるような雰囲気を作らせるな。
自らを守りに行け。
 
学力はある程度必要だ。
それならば学校に行かなくてはならない。
それに、そこでの関係は軽くても今後の人生に役立つだろう。
 
他人をコマ扱いしてる、私なんてクズなのだろう。
 
それでも、心休まる場所は、私には少ないのだから。
しょうがないじゃないか。
…偽りの姿でいなければならないだろう?
自分を知られたくないのならば。
 
「そうなのね
良かったわ
 
………………でも、無理のし過ぎはバレてるからね」
 
「っ!」
 
「…ふふっ
お姉ちゃんも演じるのが上手いのよ?
それも役者顔負けの、ね?」
 
「…そうだとしても
変えられないよ
………嫌われる、から」
 
「別に否定はしてないわ
それに変えろなんて言ってないし
 
そうね、好きに生きなさい……って言ったら怒るかしら?」
 
お姉ちゃんは悪ガキっぽい笑みを浮かべる。
それでもやっぱり大人なんだなとしみじみとわかる。
 
「…それこそ、別に」
 
私は笑ってそう言った。
いや、笑えているのだろうか。
わからないな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自分がわからなくなる。
 
____________
2022/07/30:800hitありがとうございます!!!!

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設定タグ:プロセカ , 初音ミク , 百合   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:テア | 作成日時:2022年6月24日 18時

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