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8ー1 ページ4

「…哀露さん?」
 
「ッ!」
 
「大丈夫ですか…?」
 
「うん、大丈夫だよ、ごめんね」
 
クラスメイトに起こしてもらった私。
今は昼休憩が終わったチャイムが鳴った後だろうか。
長い間寝てたらしい。
お昼、食べてないな。お腹すいてない。
やる気が出ない、だるい。
 
「いえいえ!
…それより哀露さん気分悪いんですか…?」
 
どうやら心配して起こしてくれたそうだ。
 
「っえ、あ、ううん……少し寝不足なの」
 
「そうなんですか…
今日は寝られると良いですね」
 
「うん、ありがとう」
 
頑張って微笑んでみる。
壁を作ってると思われたかな、思われてないよね。
普通に接せてるはず。
私なら、できる。今の私ならできてる。
 
「私は席に戻りますね!」
 
「うん、わかった」
 
タタタッと小走りに席に戻るクラスメイト。
私のことを、みんなはどう思ってるんだろうか。
 
(……優等生?優しい?ちょっと抜けてる?
それとも裏表がない人?)
 
どれにしたって不正解。
優しいのだってそれなりな関係を保つ為。
決して仲良くしたいからってわけじゃない。
 
(自分を守る為だって知られたら
………みんなはどう思うんだろ?)
 
恐怖が私を襲う。
中学からの知り合いはほぼいない高校生活。
ダメにはしたくない。
 
そもそも学校に行かなきゃよかったと思うこともあるけれど、それはそれでダメだ。
 
お姉ちゃんに迷惑をかける。
お姉ちゃんの為にも良い仕事につかなければならない。
お姉ちゃんは1人で朝から夜まで毎日仕事をしていた。
当の本人は余裕そうだが、熱になったり倒れそうになったりしているのも現実。
最近は減った方なのだが…このまま一生お姉ちゃんに任せっきりにはしたくない。
だからこそ良い仕事、良い学校に行くには学力は、必要だ。
…まずこの馬鹿げた頭じゃ無理かもしれないけど。
 
「次の授業は……………」
 
私はふと壁に貼られている時間割表を見る……次は数学。
移動教室がないから体力は使わないし、安心だ。
ため息をついて私は数学の授業の用意をする。
 
でも、そっか。
こんなダメな私でもミクは手を差し伸べてくれるんだよね。
…偽りの「好き」で繋がれた「セカイ」。
素敵で、穢れた…セカイ。
 
 
でも。
 
 
あのセカイは私とミクのどんな想いから創られたのだろう?
 

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設定タグ:プロセカ , 初音ミク , 百合   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:テア | 作成日時:2022年6月24日 18時

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