私にミクが（２）『プロセカ』『初音ミク』『百合』 (ページ26)

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「哀露さん、おはよう」
　
「おはよう……遥ちゃん」
　
セカイから帰った時刻は、確か朝5時だった。
これ以上寝たら起きられない事を察して、そのまま起きていたのだが…
　
暇すぎて早くに家を出たせいで、学校に到着した時間がいつもより20分も早い。
最高記録更新したかもしれない。
家から学校が近い事も関係しているとは思うが…やはり早いと思う。
　
それはいいとして、なぜか今私はアイドルの桐谷遥ちゃんに話しかけられている。
　
(どうして？どうしてなの？
ていうか、うわ…顔が良い。なんだろ、凄い顔がいい。
美人すぎる、流石アイドル…！)
　
いや、そんな事はどうでもいい。
なぜ私なのだろう？
　
「哀露さんって、肌綺麗だよね」
　
「え？そうかな」
　
「うん、とても綺麗
透き通ってるみたい
ケアとかしてるの？」
　
「う…うん」
　
遥ちゃんは私の肌について聞いてきた。
　
(…ケアしてるというか…お姉ちゃんに叱られたから渋々やってるんだけどね…)
　
私は昔からズボラというか、面倒臭いことはしたくない性格をしている。
女子力があるとか言われることが多々あるが、それはお姉ちゃんのおかげ。
お姉ちゃんが女子力ありすぎるだけだ。
　
「へぇ！
髪もサラサラで、モデルみたいだね」
　
「それは…そうかも
…髪のケアには特別こだわってるから」
　
「そうなんだ」
　
「うん
………伸ばしたくて」
　
成長。
変われない、時の止まっている私が唯一変われている証拠。
だから伸ばしたい。
　
あと、
　
ミクみたいなロングヘアーになってみたい…
…という願望も含まれていたりする。
　
「確かに哀露さん
ロングヘアー似合うよね」
　
「実は小学生ぐらいから伸ばしてるの」
　
「へぇ…だからこんなに長いだね…！」
　
遥ちゃんは感心するかのように私を見る。
そろそろ人が来るから離れてほしい…かもしれない。
　
　
「はっ…遥ちゃんっ！」
　
　
そう思った矢先、廊下から声がした。