私にミクが（２）『プロセカ』『初音ミク』『百合』 (ページ20)

今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:6,644 hit

10ー６ページ20

(な、
　
　
　
な…
　
　
　
なんて恥ずかしい曲(黒歴史)を歌ったんだー？！)
　
しかも真夜中にスマホに向かって。
　
(こ、これこそ奇行なのでは？
いや寧ろこれ奇行確定では？？
お姉ちゃんいないよね？ね？いない、よね？)
　
「……うぅ、恥ずかしい…」
　
私は枕に顔を埋める。
　
(……でも)

なんだか昔に戻ったみたいで楽しかった。
もう昔みたいには戻れないけど、楽しかったな。
自己満足でも楽しかった。
ミクが最後に歌ってくれた、あの曲。
忘れようとも思ったけど、忘れられなかった。
だってミクがあんなにものびのびと歌ってくれたから。
　
まだ、残ってる。
スマホの中に、私の唯一のオリジナル曲。
他のは全部捨てちゃったんだっけ。
　
懐かしいな。
　
「…ミク…ごめんね」
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
返事は、ない。
しん…とした部屋。
私たち、また別れちゃうのかなあ。
嫌だなあ。いやだなあ。
　
「…ミク…み…く…？」
　
パッとスマホを見る。
　
＿＿＿＿…untitledの文字が元通りになっている。
　
　
(どう…して？)

私が歌ったから？
でも、ミクには記憶もないし、曲だって知らない。
　
じゃあ、なんで？
　
「それよりも…セカイに…」
　
行かなきゃ。