私にミクが（２）『プロセカ』『初音ミク』『百合』 (ページ11)

今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:6,640 hit

9ー3 ページ11

「Aは甘えたがり屋さんだね」
　
「…ごめんなさい…」
　
「でも、わかるよ
ミクだけでもっていうことは…
外の世界に好きな人がいないんだよね
安心できる人が、本当に心を許せる人はいないんだよね
　
……それでも、ミクはAのコトが大大大好きだよ」
　
「…そうなの？本当？」
　
「うんっ！
嫌な事があってもミクさえいれば怖いないよ
Aはいつでもミクを頼って良いんだよ！
甘えても良いよ〜？ぎゅーってしてあげる！」
　
ミクはAを抱きしめる。
Aは安心したかのように涙を流し出した。
…ミクから涙なんて出た事無いから、どうしてそれが出るのかわからない。
でもなんとなく、これは嬉しい時の涙なんだろうなって思った。
本当のことはわからないけど。
…今までのAの事を知っているからわかるのだろうか？
　
「A、Aに苦しんで欲しくないよ
ミクはAとずっと一緒にいたいから」
　
ミクは、Aの気持ちなんて本当はわからない。
ただ、心の中を読めるだけ。理解はしていない。
できないわけじゃない。
やればきっとできる。
　
でもそれは、本当にして良いことなのだろうか。
　
わかった上で話しかけるならば、操るのだって簡単だ。
ミクはきっとそれをしてしまう。
止められないだろう。
　
だから、ミクは支えるだけで良い。
Aと一緒にいられるだけで良い。
　
それで、良い。
そう、それで良いんだ。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

…本当は知りたいだなんて。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
馬鹿な私。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
「……私は、わたしは…
　
　
　
　
　
…ミクはAを支えたいんだよ」
　
Aは苦しそうに呻き声を上げる。
それでもミクはAを抱きしめる。
離さない。大丈夫。安心してよ。
　
私は、ミクは、ずっと、ずっと、ずっと。
　
Aの味方だよ。