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(…ふぅ)
なんだか、わちゃわちゃしてて楽しそうだったな。
あれが本当の親友っていうのかな…と私は考え込んでいた。
「…ふふ、Aもバンドしたくなった？」
「…バンド…じゃないけど羨ましいなとは思ったかな
楽しそうじゃん」
「でも、Aはあんなに仲がいい友達いないでしょう？
私と同じで」
クスクスと笑いながら冷たい言葉を吐くお姉ちゃん。
お姉ちゃんも少しイラついているのだろうか。
「いないよ
うー…正解なところが悔しい」
「だってAにはミクちゃんだもんね
それに
甘えるのが苦手なAには少し荷が重いものね」
そう、お姉ちゃんは言った。
…私には荷が重い。
間違ってない、友達なんてあまり作りたくない。
迷惑をかけてしまう。
だからといってあの子達の関係が嫌な訳じゃない。
ただ単に、私には無理だってだけ。
「A」
「…何？」
「Aは甘えたがりさんの癖に、難しいことを考えるのね」
「…」
「本当はみんなに甘えたいのに嘘ばかり…自分を一番下に見て
逆に人に嫌な思いをさせちゃうわよ？」
「…でも………」
「…ふふ、暗い話はもうやめましょ
さ、今日はAの好きなグラタンにしようかしら」
「え？本当？
最高なんだけど！」
「まあ、そのためには材料買わなくちゃだけど」
「買います！」
「あらあら〜」
お姉ちゃんはクスッと笑って私を見る。
お姉ちゃんの切り替えにつられて私も切り替えた。
お姉ちゃんには嫌われないと信じてる。
だって私だってお姉ちゃんを見捨ててないでしょ？
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作者名：テア | 作成日時：2022年5月20日 21時
