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「…………っ?!」
酷い痛みが走った。
それによって目覚めた私。
あぁ、確か私、道端で…untitledを流して…
…ってことは、ここは道端?!
「…じゃ、ないみたい」
家の玄関に寝ていたらしい。
…というか、移動したのだろうか。
セカイって不思議な事が多くてよくわからない。
いや、この場合はミクが移動させたのか?
…少し冷静になったところである疑問が頭に浮かぶ。
今、何時?
自分の腕時計を見る。
正直、見たくなかった時刻だった。
8時…半……?
「嘘!?
やばい!!!」
「Aーーーー?!!!」
「きゃあぁぁーーーーっ?!!」
後ろからお姉ちゃんの怒鳴り声がした。
少し、私の事を心配しているような、そんな怒鳴り声。
反射的に叫び返してしまったが。
「うるさいわよ!!!
もう!心配したのよっ?!」
足音を鳴らしながら私の近くに寄ってくるお姉ちゃん。
後ろを振り向くと泣きそうになっている顔が見えた。
流石に8時半までセカイにいるとは思ってなかったのだろう。
もう夜ご飯はとっくに出来上がっている時間なのに、いないなんて。
「ごめん…」
「メールで遊園地に行くって聞いていたけれど…遅すぎるわよ!
しかも急に玄関に倒れ込んでいるなんて………」
「…………セカイに行ってた」
焦っていたお姉ちゃんの動きが、止まった。
「………は?」
そう言って。
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作者名:テア | 作成日時:2022年5月20日 21時