私にミクが【百合】【プロセカ】【初音ミク】 (ページ34)

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５ー２ページ34

「…また、心の中読んじゃったんだけどね
……Aにとってミクってどんな『初音ミク』なの？」
　
「…え」
　
「前に、沢山質問し合おうって言ってたでしょ？」
　
ミクが不安そうに笑う。
私は情けないような声を出してしまった。
　
「ミク、それがわからないの
ミクはミクらしく喋っているのにどうしてなのかなあって」
　
きっと本当にわからないのだろう。
なぜなら私が正直なところ、わかっていないからだ。
本当のミクと私の想いからできたミク。
感覚的に違いがわかるだけで確実にはわかっていない。
　
私は少し考えてみる。

　
「…私の中のミクは………
　
　
……………？」
　
私の中のミクは可愛くて、歌姫で、誰にでも優しくて、私を褒めてくれて、私を認めてくれて、私を愛してくれていて、私を信じてくれていて、私にだけ心から優しくしてくれて。
　
「…………私を…………わ、わたしを…」
　
…………現実の人とは違って、何をしても許してくれる…『私だけ』のvirtual singer…
　
「…！
　
そんな事想ってくれていたんだ？」
　
「…えっ…アッ…！？
あーえと、今のは違っ…いや、違わないけど…」
　
まずい、自己中な事を考えてしまった。
ミクは皆んなのvirtual singerなのに。
私だけ、なんて…
　
「……ふふ、もしかしてAはミク以外の『初音ミク』を知ってるの？」
　
当たり前のような事をミクは言う。
でも、そうか。ミクにとっては当たり前ではないのか。
　
「…うん
沢山いるよ、何百、何千と」
　
「そっか、でも…
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
今はこのセカイの、Aの目の前にいるミクだけの話をしてるんだよ」
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
そう言って、ミクは私の髪にキスをした。