私にミクが【百合】【プロセカ】【初音ミク】 (ページ28)

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「ここがフェニラン…」
　
「ショーまでは時間があるからゆっくりしといてくれ！
一旦オレは失礼する！」
　
「ばいばーい！
お兄ちゃん～！」
　
…思った以上に可愛い感じの遊園地なんだ…
ミクに見せたかったな。
記念に撮っておこう。
そう思ってスマホをつけ、カメラを起動する。
　
それを見た咲希ちゃんが何かを閃いたのかのように
「あっ！」
と、言った。
　
「どうしたの？咲希」
　
「Aちゃん、フェニラン初めてなんだし写真とか撮らない？！
いい思い出になると思うんだよね～」
　
「わあ、いい案だと思うよ」
　
「私も
Aさんは？」
　
日野森さんに聞かれる。
私は快くそのお誘いを受け止めた。
　
「じゃあ、どこで撮ろっか？」
　
咲希ちゃんや一歌ちゃん達が周りを見る。
私はどこでもいいんだけど…
いや、こういうのはこだわった方がいいのか？
　
私も周りをキョロキョロと見る。
うーん、エントランスでとるのもなあ…
そう思って視線を上に上げた。
　
「…！」
　
(…あ)
　
「………私、あのお城の前で撮りたいな」
　
そうポツリと呟いた。
すると。
　
「…！
Aちゃんっそれとってもいいと思う！」
　
「お城の前かぁ…
私達も撮ったことなかったかも？」
　
「それだったら尚更いいね
この時間だとすいてると思うし」
　
「じゃあ早速行かなきゃね」
　
みんなは私がポツリと言ったことを聞き逃してなかったようだった。
そしてこの笑顔と優しさ。
私を光へ連れ戻そうとする。
　
嫌じゃないよ、嬉しいよ。
むしろここから連れ出して欲しいよ。
　
でも。
　
「うん、ありがとう
ショーもあるし急ごうか」
　
　
そう。

　
私はきっと、この沼からは出られない。
　
　
　
　
そして、心の底では出たくないと思ってる。