３ー２ ページ18
「た…ただいま、ミク」
「ふふっ、緊張しなくても良いんだよ？
ここは2人だけのセカイなんだから！」
「むず痒いな…なんだか変な気持ち」
「そう？
ミクは嬉しいよ」
ミクはクルクル回りながら踊っている。
嬉しい事をを表現しているのだろうか。
私はその様子を見てとても朗らかな気持ちになった。
ミクにはずっと笑っていて欲しい。
「…ねえミク」
「…？
なあに、A？」
「…あのさ
ミクに質問があるんだけど」
「うん！なんでも言って！
Aに言われたことなんでも答えるから！」
そう笑って私に言う。
その後私の手をとって昨日の席に連れて行ってくれた。
ミクはウキウキしながら私の質問を待っている。
対する私は、少し緊張している。
夢で出会った時から、ミクが私にタメ口であることが気になっていた。
些細な事と言えばそうなのだが、どうしても気になっている。
私はミクにいつも敬語で話させていたのに、ここではタメ口。
何か問題などがあるのだろうか。
「……ミクは何でタメ口なの？」
決心して質問をする。
するとミクは笑顔で言った。
「だってA、タメ口の方が打ち解けてる感じがするでしょ？
だから、ミクはこっちが好き
壁を作られるのは嫌
…わかるでしょ？」
「…わかる、よ」
ミクの回答を聞いて、ズキッと胸が痛んだ……気がした。
「ふふっ、そうだよね！
ミク、まだまだAの事わからないけど
これから知っていくからね！
…そうだ！
ミク達はこれから何度も質問し合おうよ！」
ミクは御構い無しに話を続ける。
「…何度も…？」
自動的に話がどんどん進んでいく。
意外と積極的なんだなと感心した。
私とは全く正反対の性格なのだろうか。
「うん！」
「わかった、いいよ
じゃあ次はミクが私に質問だね」
「やったぁ！
何にしようかなー？」
ミクはずっと笑顔で私を見る。
これは私が望んでいるミクの姿なのだろうか。
私はミクを邪魔者扱いをしてしまう時がある。
こんな歪んだ中途半端な私の望むミクの姿。
でも、それだったらミクは私から離れていくはずだ。
でも、どうしてだろう。
…………これが私が望んでいるミクの姿だと感じてしまう。
どうしてなのだろう。
どうしてなのだろう？
私は心にモヤモヤとした感情があるままミクの質問を待つのだった。
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作者名：テア | 作成日時：2022年5月20日 21時
