２ー５ ページ14
「おはよう、お姉ちゃん」
「あら、A
おはよう」
「………」
「今日は早起きね
いつも日曜日はゆっくり寝てるのに」
「…ちょっと考え事」
「ふぅん？まあいいわ
朝ご飯作るの手伝ってちょうだい」
「はーい」
昨日のコトがなかったかのように私の1日が始まった。
お姉ちゃんにあのコトを言うべきなのか、少し悩んでいる。
お姉ちゃんは喜んでくれるだろう。
…喜んで欲しいわけではないけど。
「…………」
「A〜食パン焼いてくれない？」
「……………あ、はい」
「…」
ミクのことは好き。
でも、アレはきっと本当のミクじゃない。
…本当のミクって何？私が知らないミクって何？
(やっぱり、そうだ)
私は我儘だ。
自分の想像のミクを嫌うくせに、
本当の姿のミクなんて知りたくない。
結局、どちらも嫌なんだ。
私は､あのセカイで何をしたいのだろう。
「…A？
もう、寝ぼけてるの？」
「はっ
ご、ごめん…」
「…また、ミクちゃんのこと？」
「ゔ…」
「ふふ
わかりやすすぎるわ」
「…すみません」
「別に大丈夫よ…はい、目玉焼き」
「…ありがとう」
「もしかして、何か悲しいことがあったの？」
「…悲しくはないけどさ
………難しいことがあっただけ」
「そう
…A、もうすぐ用意できるから座ってていいわよ」
「わかった」
私は出来上がった目玉焼きとトーストを2人分持って食卓に行く。
この後きっといろいろ聞かれるんだろうなあ。
お姉ちゃんはエスパー…というか、勘がいい事は昔からのことだし。
本当は隠し事なんてお姉ちゃんにしたくない。
かといって自分から言い出すのは正直きつい。
あんなに嫌がってたのに行ったんだ？ってなりそう。
だから、聞いてくれると自動的に話が進むからこっちとしてはまだ良い。
私はお姉ちゃんが席に来るまで、ドキドキしながら食卓で待った。
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作者名：テア | 作成日時：2022年5月20日 21時
