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「へ…?」
「だって、このセカイは『A』の想いと、『初音ミク』の想いでできているから
ミクにだってuntitled流せちゃうんだよ」
「…そう、なの…?」
「ミクに想いがあるのかって思った?」
「…ッ!」
「…あるよ
ミクは『A』の想いから生まれた
でもそれじゃ、ちょっと語弊があったかも
ちゃんと言うとね
ミクは『A』の中にいる『初音ミク』の想いから生まれたの」
「………それじゃ、君も私の望み通りのミクなの?」
「ふふ、それはどうだろう?
ミクはA次第で何にだってなれるよ
結局はAの想いで決まっちゃう
…でも逆に考えればミクはAが嫌だって想う姿にだってなれるよ
とりあえず、何にでもなれるんだ」
くすりと笑ってミクは私の手を引っ張って立ち上がる。
「…!Aって背が高いんだね」
「…」
「……やっぱり信じられない?」
「信じられない…ってわけじゃないよ」
「ふふ、そっか…………ねぇ、A
今日からAはミクと一緒に過ごすんだよ」
「……だから、こっちに来たくなかったのに」
「ずっとじゃなくていいんだよ?
untitledを止めれば元の場所に帰れるから
でも辛くなった時とか、苦しくなった時、Aの支えになってあげるから
それはきっとミクにしか…このセカイのミクにしか出来ないと思う
だってAが言わせるより、ミクの意志で言った方が嬉しいでしょ?」
「…〜っ!
そのことも知ってるの?!
恥ずかしいんだけど……………」
「ふふっ
それだけ愛されてるんだと思うと嬉しくなっちゃうな」
ミクは照れながら笑う。
これは、私の中のミクなのか、
知りたくなかった本当のミクなのか、
区別がつかなかった。
それでもやっぱり笑っているミクが好きだ。
そう今一度思うのだった。
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作者名:テア | 作成日時:2022年5月20日 21時