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「………セカイが、崩れてる…？」
ぱら、ぱら…と光を失い、赤黒い色となったカケラが、上から沢山落ちてくる。
このカケラは、Aの状態や想いと連動しているのだが……
「……ここまで、崩れ…るのは、初めて…」
大きなハート型の紅くて美しい宝石の様なオブジェだったモノは、半分以上は崩れ、床にカケラとなって落ちてしまっている。
ミクがここに来たばかりの時、Aは辛くて不安でいっぱいだった。
だから、オブジェはカケラとなって地面に落ちていた。
でもカケラは光り輝いていて、美しい紅色で、落ちていたけれどあの時はまだ安全地帯にはいたはずだ。
今は、オブジェの跡はあるが、きっとすぐに全て綻びて朽ち果ててしまうだろう。
落ちる事を拒んでいる様に崩れる前に少し耐えるカケラは、まるでAを見ているようで辛い。
今ミクは、外に干渉できない状況にある。
そのためどう願ってもAに会えない、話せない。
辛いのはきっとAの筈なのに。
(それにおかしい…)
ミクは違和感を覚えた。
カケラが落ちるたびにミクの喉が締まっているように感じるのだ。
痛みも何もない。
………何もなかった頃に戻るだけだ。
「もど、る…だ、あ………ぇ…」
戻るだけ、戻るだけだって？
何を言っているんだろう、何を考えているのだろう？
それが意味しているのは「Aが孤独に戻る」という事だ。
何でそんな事を考えた？
ミクはAを見捨てない、ずっと大好きで大切な人だ。
「わ、あ…ぁ…ッ…」
ミクはAを助けるためにここにいる。
でも、結局は何もできていない。
何ならAに助けられている。
Aはミクに「ありがとう」って言ってくれている。
「大好き」だって、「両想い」なんだって。
それが本当か、嘘かはわからない。
Aの心の中が読めない時があるからだ。
A曰く、「昔の事を思い出している時」らしいが、昔の何を思い出しているのだろう？
知りたい、全て知りたい。
そんな独占欲と薄汚い感情が胸に渦巻く。
ああだめだ。これはだめだ。
＿＿＿＿＿＿独りじゃこのセカイは＿＿＿………
「あくむに、かわる」
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テア(プロフ) - ravitoさん» ありがとうございます！！めちゃめちゃ嬉しいです！！！ (2023年3月15日 10時) (
レス) id: e47cfdfc3f (このIDを非表示/違反報告)
ravito - 狂おしいほど好きですこの話！！ (2023年3月5日 16時) (レス) @page15 id: 194de91936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テア | 作成日時：2022年11月7日 10時
