28ー1 ページ7
「………嘘」
私は泣きそうな声でそう言った。
今は車から降りて、自室にいる。
そして、何も反応しないスマホと向き合っていたのだ。
「……ミク？」
untitledは反応しない。
……いや、その表現では説明が少し足りない。
untitledがスマホに入っていないのだ。
「存在していない」…とでも言えばいいだろうか。
どこのファイルやフォルダを漁っても出てこない。
明らかにおかしい、異常だ。
ここまで無反応なのは初めてなのだが、急にどうしたのだろう。
どうしてなのかわからない。
否、
いつもみたいに、わかりたくなかった。
怒っているのだろうか。
会いたくないのだろうか。
1人になりたいのだろうか。
「……あんな事言わなきゃ良かった」
もう後悔しても遅い、私は確実にミクに無視されている。
untitledがなければ向こうに行けない、もう会えないのだ。
ミクのせいじゃない、寧ろ私が悪い事をミクにしたからこうなった。
当然の報い、罰を受けなければならない。
『Aじゃないって何？』
ミクは私を心配してくれていた。それは確かだ。
なのに何に私は怒ったんだ？
ミクは私がのびのびと、本当の私でいられる場を作るため……
どんな私でも受け入れてくれる存在として、私の元に現れてくれたのに。
なんで、怒った？
どうしてだ？
私はミクの前では偽りの姿を見せたくない。
見せないようにしてた。
でも………実際してたじゃないか。
それを指摘されて、過剰に反応されて…
「………自分を守る為の…『弱者』の行為」
そうだ、その行為に触れられて………
「っ…う、あぁ」
私、怖くなったんだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
2023/01/17:300hit ありがとうございます！
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テア(プロフ) - ravitoさん» ありがとうございます！！めちゃめちゃ嬉しいです！！！ (2023年3月15日 10時) (
レス) id: e47cfdfc3f (このIDを非表示/違反報告)
ravito - 狂おしいほど好きですこの話！！ (2023年3月5日 16時) (レス) @page15 id: 194de91936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テア | 作成日時：2022年11月7日 10時
