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「……でも、セカイが生まれて」
セカイの貴女はどんな私でも愛してくれていた。
全く嫌な事も不安も不満もなかった。
それこそ私の思い描いていた幻想通りだった。
でも徐々に、貴女は私の中の貴女ではなくなっていた。
少しばかり怖かった。
「…………でもね、ミク
ミクは私に正しい道を教えてくれていたんだよね」
壊れていた私を戻そうとあの時言ってくれたんだろう。
“その笑い方、Aじゃない”
もちろん図星だった。
悔しかった。
“偽物の自分”を初めて否定されて、とても嫌だった。
作りたくて作ったわけじゃないのに。
私の幻想だったはずの貴女は、初めて私の壊れていた部分を深く抉った。
「でも、でも……きっとミクは…
私の為を思ってくれていたんだよね
ごめんね、私…酷いこと言った
ミクは私を助けようとしてくれてただけなのに
それなのにミクは私のことを考えてくれて
………私に直接、昔の事を聞かなかったんだよね
私はミクに甘えてばっかだった
…大好き、大好きなのに……っ」
ミクの背中に腕を回してミクを抱きしめた。
私がして良い事かは分からない。
私は貴女を見捨てた。
貴女を避けた。
貴女を苦しめた。
またあなたをすてようとした
“すてないで、ごめんなさい、わたしがわるいこだから！”
あんな台詞を貴女に吐かせてしまった私が、貴女を今抱きしめている。
とても心が痛くて、辛くて。
我慢していた生暖かい雫が、頬を伝って地面に落ちた。
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テア(プロフ) - ravitoさん» ありがとうございます！！めちゃめちゃ嬉しいです！！！ (2023年3月15日 10時) (
レス) id: e47cfdfc3f (このIDを非表示/違反報告)
ravito - 狂おしいほど好きですこの話！！ (2023年3月5日 16時) (レス) @page15 id: 194de91936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テア | 作成日時：2022年11月7日 10時
