繋がりたくないって言ってんじゃん！【Knight A】

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ゆゆside

コンカフェバイトから帰宅。1足多い靴。言い合いの声。多分お兄ちゃんが客と言い合ってるんだろう。めっちゃ迷惑なんだが。

お兄ちゃん昼職と夜職の掛け持ちやめりゃいいのに。


ゆゆ｢お兄ちゃん、またお客さんにストーカーでもされた？いい加減通報しようか？｣


？｢うちの妹を誑かしたのはお前だな！！お前に出会うまでうちの遊はずっとお兄ちゃん♡お兄ちゃん♡と俺の後ろを着いて歩いていたのに！！｣


？｢は？知らねーし！！ただの家族離れだろ。妹の成長を認めないお前が悪い｣


ゆゆ｢なんでお兄ちゃんとゆきむらが言い合ってるわけ｣


兄｢あ、遊♡なんかな、こいつがな、家の近くで棒立ちしてたから話しかけたら遊の推しだったんだよ。まじムカついたから追い返そうと思ってさ♡｣


ゆゆ｢あ、そ。…ゆきむらもどしたの｣


ゆきむら｢泊まる場所なくて｣


ゆゆ｢なら私の部屋使って。一緒に寝よ｣


兄｢あ"？｣


ゆゆ｢あ、お兄ちゃんは邪魔しないで。私の推しなんだから丁重に扱って｣


兄｢反抗期！？反抗期だなんて……！｣


ゆゆ｢お兄ちゃんも自己紹介くらいして｣


兄｢…遊の兄の唯斗です。携帯会社の営業しながらホストしてます｣


ゆきむら｢遊ちゃんの推しのゆきむら。ネット活動者やってます｣


ゆゆ｢仲良くして！！｣


兄｢そうだな、遊が言うなら仲良くするよ。よろしくなゆきむら｣


ゆきむら｢お義兄さんよろしく｣


兄｢ははっ、何言ってんだてめえ｣


ゆゆ｢お兄ちゃん？？？｣


2人の握手はギリギリと爪が食い込む音が聞こえてくる。バイト帰りにこれはキツい。ゆきむらもいつの間にか身近な存在に近づいた。3次元は身近。2次元は神。これで冷静を保てるようになった。

案外仲良く出来そうな気もするんだけど、お兄ちゃんが度の過ぎたシスコンである限りそれは無理そうだ。


ゆゆ｢晩御飯食べよーよ、喧嘩してないで｣


兄｢ああそうだな。じゃあ兄ちゃんがゆきむらとか言うやつに飯作ってやろう｣


ゆゆ｢いや私が作るから｣


兄｢ﾁｯ｣


ゆきむら｢マジウケんだけど(笑)｣


兄｢なあ遊、こいつ推すのやめて兄ちゃんのこと推すとか｣


ゆゆ｢死んでも無理、きしょ｣


兄｢病んだ、もう無理｣


ゆゆ｢いっつも病んでる｣


ゆきむら｢ゆきむらも米くらいなら炊けるけど｣


ゆゆ｢じゃあゆきむらに頼む！｣


兄｢に、兄ちゃんも米炊ける！！｣


ゆゆ｢だから？｣


〜シスコン兄という大きな壁にぶち当たるの巻〜

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