幽霊になったはいいものの、イケメンに憑くことになりました (ページ41)

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美術部は基本的に部員仲が良い。だから、みんなやめるに辞めれないっていうのもあると思う。
みんなの和気あいあいとした会話に頬を緩めていたのだが、一気に張り詰めた空気に、何か月か前までその場にいたのに驚いてしまった。

顧問「みんな作品出来てる？見せに来て。」

あ「っ…。あいつぬけぬけと！！」

舞花「数年たってもあいつへの怒りは消えないものだね…。暴走しちゃいそう。」

顧問「木葉、何ゴミみたいな作品描いてるの？本気でやってる？描き直し。」

あ「あいつ！！木葉ちゃんの絵を捨てやがった！！あんなに可愛いイラスト描ける子なんて滅多にいないのに…。」

木葉「ごめんなさい…。あの、描き直すので、キャアッ！！」

顧問「ほんと、何であんたみたいなのがここにいるのかが謎だわ。」

舞花「木葉ちゃん！？大丈夫？」

木葉「…足、捻ったかもしれないです。何で殴ってくるの…？」

なな「木葉！！」

あ「私が死んだから、木葉ちゃんがこんな目に遭ってるの…？」

舞花「それは違う。あいつが悪いだけ。いい加減やるか。」

あ「うん…。舞花ちゃん、姿を見せて軽く呪えばいいんだよね？」

舞花「そう、呪い殺しちゃダメ。小瀧と濵ちゃんにも迷惑かかっちゃうからね。」

あ「OK。」

ブワッ…！！

私たちが普段姿を見せるためにやっているのは幽霊として、でも今回は怨霊としてだ。姿を見せうるのもわけが違う。

時間もかかるし、私たちの姿は真っ黒なワンピースにおろされた髪、片目だけ赤い瞳。

後ろには真っ黒のオーラ。このオーラが呪いの根源と化すのだ。
美術部員の子を怖がらせないように、でもあいつには飛び切り驚いてもらわなきゃ。

なな「A！？」

あ「久しぶり。ごめんね、こんな見苦しい姿で。こんにちは。怨霊としてあなたのもとに帰ってきました。成宮Aです。」

舞花「こんにちは。同じく怨霊として帰ってきました。加瀬舞花です。覚えてないなんて言わせないよ？」

顧問「…はあ？こんなので脅しになると思ってるの？二人にそっくりな子をわざわざ探してきたのね、木葉。」

あ「なんで木葉に行くわけ？死んだときの姿じゃないと信じられないの？私は本物の成宮A。お前のせいで死んだ美術部員だよ！！」

顧問「うわああああああああああああああああああああああああ」

舞花「正真正銘の怨霊ってこと理解してくれた？」