幽霊になったはいいものの、イケメンに憑くことになりました (ページ40)

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木葉ちゃんの瞳からはとめどなく涙が流れている。私の頬にも熱いものがつたっていた。
舞花ちゃんも泣いている。私だって、舞花ちゃんだって、もっともっと生きたかったよ。死にたくなかったよ。

あ「木葉ちゃん、今日と明日私と舞花ちゃんが一緒にいてもいいかな？」

木葉「え、いいですけど…。」

あ「実際の美術部の様子をちゃんと目に焼き付けたくて。」

舞花「そうだね。もしかしたら私たちでどうにか出来るかもしれないし。」

木葉「本当ですか！？」

あ「でも期待はしすぎないでね。もしかしたら私も舞花ちゃんも暴走するかもだし。」

舞花「あいつを目の前にして暴走しないなんて至難の業だけどお互いに頑張ろ。」

木葉「先輩たちがいるなら安心です。私、死ぬの見送ろうと思います。先輩たちに賭けます。」

あ・舞花「「ありがとう、木葉ちゃん。」」

あ「はあ、よしやるか！！怨霊の本性見せる。」

舞花「うん。でも成仏できなくなったら意味ないしね…。まあ私たち怨霊か。」

あ「あいつに会う時は本当の姿だな。」

望『Aちゃん、もう会えんくなるの嫌や…。帰ってきて。』

あ「望さん…？」

舞花「濵ちゃん…？」

木葉「どうしたんですか？」

あ・舞花「「ううん、何でもない。」」

その日は木葉ちゃんの家に泊まらせてもらって、翌朝中学校へ行った。
優貴くんにはばれるかもしれないので優貴くんの前には現れないようにして。

いよいよ、私たちの勝負どころと言ってもいい放課後の部活の時間がやってきた。

憎き顧問が目の前にいる。でも、私は落ち着いていた。
望さんの声がひっきりなしに聞こえてくるのだ。全部私を心配する声。

あ「望さん、絶対上手くやるから。」

舞花「木葉ちゃん、今日は大丈夫だよ。私たちが守ってあげるからね。」

木葉「ありがとうございます、先輩！！」

美術部員「木葉！！大丈夫？今日はあいつ遅れてくるって。」

木葉「そうなんだ。ありがとう。」

美術部員「Aもあいつのせいで死んじゃったし…。あいつのこと訴えられないものかな…。」

木葉「なな先輩もA先輩と仲良かったからね…。」

あ「ななちゃんだ！！」

舞花「知り合い？」

あ「うん、友達！！部活が嫌だ～って一緒によく言ってたの(笑)」