期末テストとは145 ページ13
その日の昼休み。
私は相澤先生に呼ばれ、職員室に来ていた。
中に入ると奥の談話室のような一角へ通される。
「何で呼ばれたかは
お前自身わかってるかと思うが…」
椅子に座ると開口一番にそう言われる。
「はい。」
わからないほど馬鹿ではない。
「林間合宿、ですよね。」
そう一言言うと、相澤先生は頭を掻きながら
「ああ。お前の前で言うのもなんだが、
正直あの制度は合理的じゃねえから
さっさと廃止すべきだとは思ってる。」
ものすごくめんどくさそうな顔をする。
「それには同意です。」
私はそれに苦笑いで返す。
それを見た先生は少しの沈黙の後、
「まァ、なってしまったもんは仕方ない」
とだけ返して
「これ以上駄弁んのも時間が無駄だから
本題に入るぞ｡」
先生の顔が真剣になったので、私は背筋を伸ばし
行けるかもしれないという気持ち半分、
諦めの気持ち半分で相澤先生の言葉を待つ。
・
「今回の林間合宿、許可が降りた。」
・
「ほ…んとう、ですか…？」
思わず声が裏返る。
「
のんでくれた。」
あまりの嬉しさに膝の上に置いていた拳を握る。
それを見兼ねてか「だが」と先生は言葉を続け
「こないだ教室で言ったように期末テストで
合格点取らねえとこの話はナシだからな｡」
と念押しする。
「わかってます。」
私はそれに力強く頷くと、先生は一つ息を吐き
「ならいい。
話はこれで終わりだ。さっさと戻れよ。」
と自分の机へと戻って行った。
やった…林間合宿行けるんだ…
私は軽やかな足取りで
教室へと戻るため、職員室を出た。
・
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作者名：杏仁 | 作成日時：2017年11月8日 20時
