体育祭とは103 ページ17
客席に戻ると
「草凪さんすごかったよ!!爆豪くんと互角なんて!!」
「お疲れ！」
「もう大丈夫なのですか？」
クラスメイトが私に気づき一斉に話しかけてくる。
「えっと…
そんなことない。まだ、全然力不足だった。
怪我とかはもう大丈夫。」
私は戸惑いつつ答え、空いてる席に腰掛ける。
もう既に決勝は始まっていた。
轟くんの氷結を爆豪くんが爆破で躱し、
左側を掴み投げ飛ばした。
「
「轟くんの氷結は攻め方が大雑把。
だから避けてしまえば攻め口はいくらでもある。」
『氷壁で場外アウトを回避___!!!楽しそう!!』
同時に爆豪くんへも氷結を仕掛けていたけど
それを躱して彼は爆破しようとする。
が、轟くんはそれを左腕で掴む。
炎熱は…
使わず投げた。
「___…俺じゃあ力不足かよ。
てめェ虚仮にすんのも大概にしろよ！
ブッ殺すぞ!!!
俺が取んのは完膚無きまでの一位なんだよ！
舐めプのクソカスに勝っても取れねんだよ！
デクより上に行かねえと意味ねえんだよ!!
勝つつもりねえなら俺の前に立つな!!!
何でここに立っとんだクソが!!!」
爆豪くんが心の底からそう叫ぶ。
爆豪くんの気持ちもわかる。
私だって目の前の相手が手を抜いていたら
怒鳴りつけるだろう。
けど、轟くんの気持ちも少し、わかるのだ。
きっと彼は今迷っている。
今まで積み上げてきたものを壊されたのだから。
どこに向かうべきか、わからないんだ。
・
「負けるな頑張れ!!!!」
・
隣の緑谷くんがそう叫ぶ。
その声を聞いて、轟くんが炎熱を出した。
その直後、爆豪くんの大技が入る
『麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加え
まさに人間榴弾!!
轟は緑谷戦での超爆風を撃たなかったようだが
果たして……』
炎熱を出した、けど
…消した…
それが見えたのだろう。
「オイっ…ふっ
ふざけんなよ!!」
場外に倒れている轟くんに詰め寄り胸倉を掴む。
「こんなの!!こんっ…」
しかし、爆豪くんも倒れた。
「轟くん場外!!よって____…
爆豪くんの勝ち!!」
そう先生が告げると
会場から溢れんばかりの歓声。
『以上で全ての競技が終了!!
今年度、雄英体育祭一年優勝は____…
A組、爆豪勝己!!!!』
・
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作者名：杏仁 | 作成日時：2017年10月26日 17時
