今に見てなさい。 ページ39
オフィスの中に入ると福良さんがそこに居た。
実は私、彼とは初めましてなのです。
QuizKnockの動画も最近見始めた人なんです。
こんなのが伊沢くんの彼女だなんて知られたら恥ずかしい。
「初めまして、福良です〜」
「お初にお目にかかります。えっと、野菜が好きなプロデューサー、でしたっけ?」
「いえ、野菜は苦手です」
「失礼致しました」
お互い深くお辞儀をして名刺交換をする。
伊沢には聞いていたけど、早稲田の事務されてるんですね、だって。
営業スマイル全開やん。
「大学の方ではなくて、高校の事務ですけどね。山本くんの母校の」
「それでもかなり頭脳明晰なんじゃないんですか?伊沢にも勉強教えてたと聞いてますよ?」
「伊沢くん、どこまで福良さんに話してるんですか?」
「全部聞いてますよ?正式な彼氏になったって喜んでましたよ?」
「!?」
「えっ!?朝倉先生、伊沢さんと付き合ってるんですか!?」
「おい、朝倉ァ!ナイスガイは聞いてないぞ!」
そりゃあ言ってないもんな!?
言うなって言ったのクイズ王でしょ!?
何一人で浮かれてんの、社長!!
「あれ?もしかして秘密でした?付き合ってるの」
福良さん分かってて言ってたでしょ??
何それ怖いプロデューサー…。
「詳しく聞かせて、朝倉せんせっ!」
「朝倉の惚気話聞きたいなぁ」
頭を抱える案件発生。
伊沢くん、今に見てなさい。
でもほんの少し、嬉しくなっている。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月7日 10時